フランス料理はマナーが難しそう・・・と苦手意識を持つ方は多くいらっしゃいます。たくさんのフォークやナイフが並んでいたりすると、どれから使って良いのかわからず緊張してしまいますよね。でも、マナーにばかり意識が向いてしまってはせっかくのお食事が台無しになってしまいます。
フランスはオシャレなファッションだけではなく、食事の時間をとても大切にする国。フランス料理を食べる機会があったら、せっかくなのでフランス人のようにお食事をゆっくり味わったり、楽しいおしゃべりや素敵な雰囲気を楽しみたいものです。フランス料理と聞いただけで気遅れしないでいるためにはフランス料理のマナーを事前にしっかり把握しておくことが大切です。そこで今回は、日本人が苦手意識を持っているフランス料理のマナーについてお伝えします。
どんな場面も大丈夫!
フランス料理のマナー5つの基礎知識
フランス料理店ではレディーファースト
フランス料理店は入る前からマナーがあります。フランス料理店ではレディーファーストが基本なので、男性がドアを開けて、女性が先に中に入ります。席にはウエーターが案内してくれますから勝手に席に行ったりせずに待ちましょう。
最初にウエーターが椅子を引いてくれた席が最上席となりますので、まずメインの人、又は女性から座ります。日本の女性は3歩下がって付いて行くことが美とされているところがありますが、フランス料理店では女性は遠慮せずに先を歩き、男性のエスコートを受けましょう。男性は女性が座るまで椅子の左側に立って待つのがフランス料理店でのマナーです。景色や夜景が一番素敵に見える席に女性を座らせてあげて、男性は女性が座ったら椅子の左側から自分も座って下さい。
フランス料理店でのコートやバックのマナー
就職面接やお呼ばれしてお宅訪問をする際と同じように、コートを着ている場合はコートを脱いで片手にかけてからお店に入るのがフランス料理店でのマナーです。お店に入ったらエントランスでコートや大きな荷物は預かってもらいます。または自分でハンガーなどに掛ける場合もあります。テーブルに持っていくのは自分の背中と椅子の間に置ける小さなものだけにしましょう。カバンを椅子の背にかけるのはフランス料理店ではマナー違反となるので注意して下さい。
ナプキンの使い方
日本人には馴染みの少ないナプキンは、口元や指を拭くときに使います。そしてナプキンを使うということはお店側への合図となることを覚えておきましょう。
ナプキンを広げるタイミングは料理が運ばれてきてからと思っている方が多いようですが、実は全員が席についてからなのです。これが「お食事する準備ができました」という合図となります。そして広げる時は折り目を手前にして膝にのせて下さい。口元のスマートな拭き方のポイントは、2つ折りにしたナプキンの内側部分を上手に使う事です。なぜなら、手や口の汚れをナプキンの内側を使ってふき取れば、汚れた部分が人に見られないようにできるからです。
そして、お手洗いなどで食事の途中で席を立つ時は、ナプキンを椅子の上に置いて行きましょう。ナプキンの使い方で一番大切なのは料理を食べ終えた後です。お料理が美味しかった時は、ナプキンをたたまずにテーブルに置いて下さい。キレイにたたんでしまうとフランス料理店では「美味しくなかった」という意味になってしまうのです。
フランス料理の注文のマナー
フランス料理のメニューはコースかアラカルトになります。コースの場合は、前菜、主菜、デザート一品ずつが基本です。アラカルトの場合もコースのように選んでも良いでしょう。自分の好みの組み合わせにして楽しめます。ただ、1番最初に選ぶのは飲み物とし、それから食事をオーダーしましょう。
フランス料理では前菜のサラダにもナイフとフォークを使います。大きいレタスなどはナイフで切って小さくしてから食べるのがスマートです。次にパンとスープが運ばれてくるはずですが、最初からパンが置かれている場合はスープが運ばれてきた時がパンを食べるタイミングとなります。最初にバターを全面に塗るのではなく、ちぎったパンにその都度バターナイフでバターを付けて食べて下さい。
スープは少なくなったらスプーンですくえないので皿を持ち上げてスプーンで頂きます。フランス式はスープ皿の奥側を持ち上げるのがマナーです。ちなみにパンをスープに浸して食べるのはフランス料理で一番嫌われる行為なので絶対にやらないようにしましょう。
メインの魚やお肉の料理が運ばれてきたらその都度食べられる大きさにカットして頂きます。最初に全部切ってしまうのはスマートではありませんので控えましょう。食べるたびにカットする方がお料理が冷めずに美味しく頂くことができますよ。もし骨付きの魚が出た時は注意が必要。魚は絶対に裏返さないようにして下さい。
カトラリーの置き方
フランス料理では、食事中と食後ではカトラリーの置き方を変えます。食事中にナイフとフォークを置く時は「ハの字」にすると「まだこの料理を食べている途中」という意思表示になるので覚えておきましょう。お料理を食べ終えたらナイフとフォークはお皿の右側に並べて置くのですが、長さの半分以上をお皿内に収まるように置ければパーフェクトです。
いかがでしたか。これでフランス料理店に行くことに抵抗がなくなったことでしょう。お伝えした内容はフランス料理の基本的なマナーとなりますが、他にも細かい注意点があります。
もしも食事中にナプキンやカトラリーを床に落としてしまったら自分で拾わずお店の方ににお願いして拾ってもらうことだったり、ワインがなくなった場合お自分で注がずにお店の方に注いでもらうのがマナーです。服装は行くお店によっても変わりますが、ジャケットにネクタイをしていくのが基本です。ただ、ビジネスホテル程度なら私服でも大丈夫でしょう。
素敵なお店とお料理を楽しむのですから、せっかくなので素敵なファッションとスマートなマナーで臨みたいものです。一番大事なのは美味しいお食事をじっくり味わい、その場の雰囲気と会話を楽しむこと。きっと良い時間が過ごせるはずですよ。
まとめ
フランス料理のマナーのポイントとは
・女性は遠慮せずエスコートを受ける
・カバンを椅子にかけるのはマナー違反
・全員揃ったらナプキンを広げる
・常にナイフとフォークを使う
・食後、カトラリーはお皿の右側に並べて置く