結婚式のスピーチを頼まれたら、快く引き受けるのが基本的なマナー。とは言え、「スピーチをお願いします!」と頼まれたら…。もちろん、誰でも自分を見込んで依頼してくれたこと自体は、とても嬉しく、有り難いと感じるはず。けれども、現実的に考えると、実際は何を話したら良いのか、悩んでしまう人々が多いのも事実です。
特に人前で話すことに慣れておらず、結婚式のスピーチも初めてという方にとっては、楽しみのはずの晴れの日も、近づくにつれて気が重くなってしまうこともあるかもしれません。
しかし、慌てることはありません!結婚式のスピーチはポイントを押さえつつ、あらかじめ「準備」をしておけば、案外上手く行くものです。落ち着いて自分の言葉を伝えるように話せば、あなたの気持ちも十分伝わります。
ここでは結婚式のスピーチを初めて頼まれた方々へ向け、事前準備に役立つ7つのポイントを解説します。ぜひ参考にされてください。
結婚式のスピーチに緊張!
初めての挨拶7つのポイント
ゲストの顔ぶれや会場の雰囲気を確認
一言で結婚式のスピーチと言っても、招かれているゲストや会場により、その雰囲気はかなり異なったものになります。
≪ 例えば… ≫
★ 一流ホテルで、新郎新婦の職場の方々が多い会場…
いわゆる昔ながらの結婚式です。親族縁者や職場関係の人々が多い席では、新郎新婦のお披露目の意味合いが強いため、マナー重視のフォーマルな場になります。
・ 基本的な構成と言葉遣いで結婚式のスピーチを行う。
★ レストランで、新郎新婦の友人が多い会場…
いわゆる「レストランウエディング」です。この会場は、フランクに新郎新婦と話せる距離感が演出されています。そのため格段にカジュアルな雰囲気です。
・ より素直な喜びとお祝いを述べた結婚式のスピーチでも盛り上がる。
もし前者の結婚式でくだけた結婚式のスピーチをしたり、後者の結婚式で堅苦しい結婚式のスピーチをしたら、その場の空気を乱してしまうこともあるので、TPOに柔軟に対応できる機転の良さが求められます。もちろん、事前に対策を取ると安心です。
【 会場やゲストの傾向を予め聞いておく 】
・ 新郎新婦に会場の雰囲気や規模、ゲストは何人ほど来てどのような顔ぶれとなるのか、あらかじめリサーチしておく方法があります。
それを基に結婚式のスピーチの文章を組み立てれば、ほぼ間違いなくその場にふさわしい結婚式のスピーチの原型が出来上がるはずです。
結婚式のスピーチの「起承転結」
では、実際に結婚式のスピーチの文章の組み立てに入っていきます。人前で話す時、特にこのような「イベント」の時は、ただ言いたいことをダラダラ話すべきではありません。
きちんと新郎新婦やゲストに言葉を届けるためには、文章に「起承転結」を盛り込み、形を作っておくことが大切です。「起承転結」の内容は、以下のようなものになります。
【 結婚式のスピーチの起承転結 】
・ 起 → お祝いの言葉と自己紹介
・ 承 → 新郎新婦のエピソードや人柄などの紹介(良い点はオーバー気味に)
・ 転 → 新郎新婦の将来への期待の言葉・はなむけの言葉(スピーチの山場となります)
・ 結 → スピーチを締めくくる言葉
これらの内容を「ゲストの顔ぶれや会場の雰囲気」と照らし合わせて、結婚式のスピーチの文章構成を組み立てて行きます。
なるべく「自分の言葉」を盛り込もう
上記の「起承転結」の「転」の部分には、よく「偉人の言葉」が用いられたりします。人によっては先輩として、夫婦が上手くいく秘訣をアドバイスする方もいますね。
しかし、あなたが「人生のベテラン」ならば、それらの言葉も新郎新婦やゲストの心に響くかもしれませんが、若いうちでは「とってつけた感」が強くなってしまいます。
★ あなたが年齢的に若い場合…
・ アドバイスは「上から目線」と捉えられる恐れがあります。控えておくと無難です。
書籍やネットの文例を参考にしつつ、要所要所ではなるべく「自分の言葉」に置き換えて、結婚式のスピーチを組み立てると、自分らしさが出て好感の持たれるスピーチになります。
実際に原稿を作ってみよう
結婚式のスピーチの案を練ったら、実際に原稿用紙に書き込んで準備を進めます。
★ 目安は原稿用紙2.5~3枚(1,000~1,200字)ほど。
・ これを落ち着いて読み上げると、2~3分以内に収まる長さのスピーチになります。
結婚式のスピーチは短すぎても、おかしな印象を与えます。一方で、長すぎてもゲストの多くが飽きてくる傾向にあるは、誰でも経験があるかもしれません。一般的には、長くても5分以内と決めておくと、丁度良い長さになります。
【 原稿を作るときのポイント 】
・ 句読点を適度に入れて書くことです。読み上げる時に言葉のリズムを取りやすくなります。
使ってはいけない言葉や内容に注意!
結婚式のスピーチの原稿が仕上がったら、以下の言葉が含まれていないかチェックします。
【 結婚式のスピーチで、使ってはいけない言葉 】
・ 忌み言葉 →
「別れる」「終わる」「戻る」「帰る」「枯れる」など、結婚に対して不吉とされる言葉
・ 重ね言葉 →
「またまた」「しばしば」「重ね重ね」など、再婚を連想させるような言葉
また、結婚式のスピーチはお目出度い席であるため、細やかな配慮は基本的なマナーでもあります。以下の内容が含まれていないかもチェックする必要があります。
【 結婚式のスピーチで、タブーの内容 】
・ 新郎新婦の過去の恋愛に関するエピソード
・ 内輪の話や暴露話・下品な話や「くだけすぎ」な話
・ 自分の自慢話
これらの内容を、場を盛り上げるためやウケを狙うためにスピーチする方がいますが、新郎新婦や親族に恥をかかせるばかりか大幅に話者の品格を貶めてしまいますので、絶対にスピーチに盛り込んではいけません。
本番に備えてリハーサルを行おう
読み上げてもおかしくない結婚式のスピーチの原稿が出来たら、リハーサルをしてみると安心です。
★ 本番前に一度でもリハーサルを行う
・ 話のスピードを確認できたり、よりよい表現に変えたりと、最終的なチェックができます。
また、もし内容に自信がなかったり、話しても良いのか迷うエピソードがあったら、それとなく新郎新婦に確認をとっておけば安心です。
当日は明るい表情で姿勢よく、ハキハキと
いよいよ本番となります!つい緊張で身が縮こまったり、声の出づらさを感じる方もいるかもしれません。
【 緊張してもしっかりとスピーチが出来るコツ 】
★ 姿勢を正しく保つ
・ 姿勢が崩れると呼吸が浅くなり、より緊張が強くなってしまいます。なるべくゆっくりと深い呼吸を心がけ、背筋を伸ばして「良い姿勢」を保ってください。
原稿は暗記しなくても失礼にあたりません。ただ、下を向いてしゃべり続けるのはよくありませんので、まっすぐ前を向くことを心がけてください。
また「礼」をどの場面で行ったら良いか迷う方もいらっしゃるでしょう。およそ以下のようになります。
【 結婚式のスピーチ、お礼のタイミング 】
・司会者から紹介を受けたら、同じテーブルのゲストに軽く一礼
・その場で起立して一礼
・マイクの前に立ったら、新郎新婦の席に向かって一礼
・スピーチ内で新郎新婦へのお祝いや、親族へのお祝いの言葉があったら、その度にそれぞれの席に向かって一礼
・スピーチを結んだらその場で一礼
・席に戻り、着席前に同じテーブルのゲストに軽く一礼
なるべくひとつひとつの動作を丁寧にするよう心がけると、美しい所作になります。
初めて結婚式のスピーチに挑む方々へ向けた、基本的な挨拶の構成と結婚式のスピーチの7つのポイントはいかがでしたでしょうか。本記事のように準備をすすめておけば、結婚式のスピーチが初めてと言う方にも、安心して臨んで頂けます。
確かに何かの拍子に言葉が詰まったり、読み間違いをしてしまったりと、人前に出る時は思わぬ失敗もよくあるもの。そのような時は「明るく」お詫びをして、一拍置いて気分を切り替え、またスピーチを続ければOKです。
お話のプロではない限り、聞き手は流暢な話芸を期待している訳ではありません。むしろ自分の言葉を丁寧に伝えようとする姿に、会場のゲストの皆様は胸を打たれるのではないでしょうか。
格好のいい言葉や仕草は脇に置いて、あくまでも新郎新婦の新しい門出をお祝いする気持ちを大切に、あなたらしいスピーチをしてあげてくださいね。
まとめ
結婚式のスピーチに緊張!初めての挨拶7つのポイント
・ゲストの顔ぶれや会場のTPOに合わせたスピーチをするための確認を!
・お祝いの言葉(起)エピソード(承)はなむけ(転)締め(結)
・基本的な部分は参考にしつつ、要所要所で自分の言葉を使う
・原稿用紙3枚程度で3分間前後の長さが、一般的なスピーチの目安
・忌み言葉や重ね言葉、結婚式ではタブーの内容を避けたスピーチを
・最終的なチェックには、本番前のリハーサルをしながら微調整
・スピーチ本番では、緊張したら「姿勢良く」を合言葉に