「お悔やみの言葉で、ご遺族を励まし悲しみに寄り添う気持ちを伝えたい。」と思っても、実際には「どんなお悔やみの言葉を掛けていいのか、分からない…。」と戸惑う事はありますよね。
まして自分の大切な人を亡くした経験がなかったとしたら、悲しみは理解できても、いったいどんなお悔やみの言葉を選べばいいのか、想像も出来ないものです。
実はお悔やみの言葉にもマナーがあり、言うべき言葉、言うべきではない言葉があるのです。もちろん、不用意に悲しみに暮れているご遺族の方を、更に悲しい気持ちにさせたくはないですよね。
そこで今回は、葬儀で伝えるお悔やみの言葉で、どんな言葉を選べばいいのか、基本のマナーと例文をお伝えします。本記事の例文とその解釈を基に、自分なりの相手に寄り添う言葉掛けをしてください。
お悔やみの言葉を伝えるマナー。
相手を気遣う基本例文集
まずは基本的なお悔やみの言葉を
お悔やみの言葉を伝える時、まずは基本をしっかりと覚えておく必要があります。
【 基本的なお悔やみの言葉は、覚えておく 】
・ 「この度はご愁傷様でした」
・ 「心からお悔やみ申し上げます」
このふたつのお悔やみの言葉は、必ず覚えておいてください。
ご遺族の方に、いろいろなお悔やみの言葉を掛けたいと思っていても、実際の姿を見ると、言葉が出なくなってしまうこともあります。それでも何も声を掛けないでいては、ご遺族の方を気遣っていることを伝えることができないのです。
■ 一言だけでもいいので、お悔やみの言葉の伝えるのがマナーです。
故人が親しい友人だった場合
親しい友人が亡くなった時は、友人のあなたにしか出来ないことがあるはずです。友人が亡くなった場合には、お悔やみの言葉だけでなく、ご遺族に友人とのエピソードや手紙などを見せて、お話しても良いかもしれません。
【 故人が親しい友人だった場合 】
■ ただし、葬儀の際に遺族とゆっくり話をすることは、かえって気遣いのない振る舞いです。
・ ご遺族の方から声を掛けてきてくれた時など、タイミングを見計らうことが重要です。
「◯◯さんから頂いた手紙を持ってきたのですが、見て頂けますか?」など話しかけてみてはいかがでしょうか。
突然の事故死では理由を聞かない
突然の事故などで亡くなった場合は、ご遺族の方の動揺も大きいです。よりお悔やみの言葉には配慮するようにしなければなりません。
【 突然の事故死では理由を聞かない 】
■ 基本のお悔やみの言葉にプラスして、
「あまりに急なことで言葉がみつかりません」
というようにビックリしている、ショックを受けているという気持ちに寄り添います。
亡くなった理由が伏せられている場合には、ご遺族が知られたくないという気持ちがあるのですから、遺族に直接尋ねたり、興味本位に話題にしたりしないように十分配慮することが大切です。
高齢であっても天寿とは言わない
【 故人が高齢である場合の注意点 】
■ 高齢で亡くなっているとお悔やみの言葉では、つい「天寿を全うされましたよね」や「大往生でしたね」といいたくなります。
・ けれどもこれは、お悔やみの言葉ではNGマナーです。どんなに長く生きても、失った悲しさ、寂しさは、年齢に関係はありません。
遺族の方が「天寿を全うした」と言う分には問題ありませんが、あなたがいう言葉ではないことを、忘れてはいけません。「もっと沢山教えていただきたいことがありました」や「もっともっと長生きして頂きたかった」という気持ちを伝えます。
病気で亡くなったお悔やみの言葉
病気で亡くなった場合は、あなたもお見舞いに伺ったことがあるかもしれません。ご遺族は「きっと元気になる」、「もうすぐ治る」と信じてそばにいたはずです。
【 病気の場合のお悔やみの言葉なら 】
■ 基本のお悔やみの言葉にプラスして
「お見舞いに伺った時にはお元気でいらっしゃったのに」や、
「このまま回復されるとばかり思っていました」などと伝えます。
亡くなるはずではなかったと思っている遺族の気持ちに寄り添う、お悔やみの言葉です。以前から故人の病気を心配していた、回復を願っていたという気持ちを、ご遺族に伝えるようなお悔やみの言葉にしてください。
子供が亡くなってしまった場合
子供が自分よりも先に亡くなってしまう、親としてこれ以上の悲しみがあるものでしょうか。遺族もより深い悲しみの中にいることは間違いありません。
これからの人生はまだまだ先まであり、これからの成長を楽しみにしていたはずです。その気持ちに寄り添うお悔やみの言葉を掛けてください。
【 子供がなくなった場合には 】
■ 基本のお悔やみの言葉にプラスして、
「これからの成長を楽しみにしていましたのに」や、
「これからという時に…」と、
相手の気持ちに寄り添ったお悔やみの言葉を伝えます。
伴侶が亡くなったお悔やみの言葉
今まで一緒に暮らしてきた伴侶を失うということは、大きな悲しみであることは間違いありません。自分が同じ立場であったら、どんな風に自分を支え、寄り添って欲しいかを考えてみると、伝えやすいです。
【 伴侶を亡くした気持ちに寄り添う 】
■ 「まだ小さなお子さんを残して残念なことでしょう」や
「いつも支えてくださった奥様を亡くされてお辛いことでしょう」
などのように、自分自身に置き換えて、お悔やみの言葉を伝えます。
自分に置き換えてお悔やみの言葉を伝えることが、遺族の心に寄り添うことになります。
いかがでしたでしょうか。お悔やみの言葉を伝えるマナーは、ご遺族の気持ちに寄り添うことが、何よりも大切です。いざという時にお悔やみの言葉が出ない時には、基本のお悔やみの言葉だけでも伝えてください。
逆にご遺族に伝えたい言葉が沢山ある時には、その言葉が遺族の気持ちに寄り添ったものかどうかを、もう一度考える必要があります。自分よがりで伝えたいから伝えるのでは、お悔やみの言葉にはならないのです。
相手の気持ちに寄り添い、共感し、一緒に悲しむためのお悔やみの言葉を伝えることが必要なのです。悲しみは、年齢や亡くなり方などは関係ありません。
その遺族の気持ちにきちんと寄り添う姿勢が、遺族の心を少しでも癒やしてくれることに繋がるはずです。
まとめ
お悔やみの言葉を伝える時のマナー
・余計なこと言わないことも大切
・故人が親友なら、ご遺族に思い出話をすることもある
・死因を言わないなら、その話題は避ける
・高齢でも「天寿を全うした」とは決して言わない
・病気で亡くなったら、回復を願っていた気持ちを伝えて
・子供の死は何よりも辛いことを理解して、言葉掛けをする
・自分の立場に置き換えると、ご遺族に寄り添った言葉になる