お悔やみの言葉は一般的に「この度はご愁傷様です」と言うことはよく知られていますよね。
お通夜や告別式などたくさんの人が参列する場では、ご遺族の方に挨拶をする機会は限られていますから、長々と話すよりも「この度はご愁傷様です」と一言で終えるのがスマートです。
一方、少人数の葬式や、葬式に参列できずに後日改めて故人の家に訪ねて、お悔やみの言葉をご遺族にかける機会があれば、相手への配慮の言葉をさらに添えた方が丁寧です。
しかし、お悔やみの言葉というのは日頃使わないため、「どのような言葉を選んでいいかわからない。」と言う人も多いのではないでしょうか。ご遺族の気持ちを思うと、声を掛けることすら戸惑うケースも多いですよね。
そこで今回は、お悔やみの言葉として、相手への配慮が伝わる言葉を場面別に6つご説明します。
お悔やみの言葉は心に残る。
相手への配慮が伝わる文例とは
お悔やみの基本の言葉
冒頭で少し触れましたが、一般的に使われているようにお葬式に参列したら、まず言わなくてはいけないお悔やみの言葉があります。
【 基本のお悔やみの言葉 】
■ 「この度はご愁傷様です」はお伝えしたい言葉です。
・ さらに続ける言葉として一般的なのは「心からお悔やみ申し上げます」です。
故人との関係性や親しさの度合いがどのような場合でも、この2つの文をセットで使えば失礼になりませんし、丁寧です。
■ さらに感情を込めるのであれば「この度は誠にご愁傷様です」と「誠に」という言葉をプラスすると、心からのお悔やみが伝わります。
ご遺族の気持ちを汲む言葉
故人のご遺族と対面した時に、相手が明らかに肩を落として憔悴していることがわかることってありますよね。そのようなときは「この度はご愁傷様です。」の言葉の後に添えると、伝わりやすい言葉があります。
【 ご遺族の気持ちを汲む、お悔やみの言葉 】
■ 「さぞかしお力落としのことでしょうね」と相手に言葉を投げかけるような口調で、お悔やみの言葉をかけてください。
・ 「~でしょうね」と話しかけるような口調は「~だと思います」という簡潔した言葉よりも、配慮が伝わります。
さらにこのひと言を添えることで、感情がこもっている印象を与えることができます。ご遺族と親しい場合には、言葉とともに肩に手をかけてあげるとなお、相手の気持ちに寄り添うことができます。
故人が病死の場合
故人が闘病の末に亡くなった場合、死を予期していなかった、回復するとばかり思っていたという気持ちをご遺族に伝えると、ご遺族の心に寄り添うお悔やみの言葉になります。
【 故人が病死の場合の、お悔やみの言葉 】
■ 例えば「前回お会いした時にはあんなに元気でしたのに、急な知らせに驚きました。とても残念です。」のような言い回しのお悔やみの言葉をかけます。
また、お見舞いに行こうと思っていた矢先に亡くなってしまった場合には「お見舞いに伺えないうちにお亡くなりになってしまって、本当に心残りです」と言います。
■ 故人のことを生前から気にかけていたという気持ちを伝えるだけで、ご遺族に与える印象はだいぶ違ってきます。
故人にお世話になった場合
故人が自分がお世話になった先生や会社の先輩、上司の場合には、ご遺族の方と直接面識がない場合が多いですよね。そんな時には自分と故人の関係性を踏まえた、お悔やみの言葉をかけると伝わりやすいです。
【 故人にお世話になった場合の、お悔やみの言葉 】
■ 例えば「○○先生には、ご生前に△△大学の研究室で大変お世話になりました」と言葉をかけることがあります。
・ ご遺族の方と直接面識がなくても、関係性がわかります。
このようにして感謝の気持ちを伝えてもらえば、ご遺族は故人のことを誇らしく感じることができます。
事故死の場合のお悔やみの言葉
故人が交通事故や天災などの突然の事故で亡くなった場合、自分はもちろん、ご遺族の方も突然の出来事にショックを受けています。そのため、お悔やみの言葉もそのショックを受けているご遺族の気持ちに寄り添うことが、心遣いです。
【 事故死の場合の、お悔やみの言葉 】
■ 例えば「この度は突然のことで、なんて申し上げていいか言葉もありません。心からお悔やみを申し上げます。」
心からの気持ちを、言葉をつまらせながらお伝えすることで、ご遺族は共感をしてくれていると感じ、少し気持ちが救われるのです。
若くして亡くなった場合
故人が若くして亡くなった場合には、誰もが「これからだったのにね」と言いますよね。故人が学生の場合には、まだ人生これからという時ですし、社会人になりたてでもこれから社会で活躍するという時ですから「若い」というのには明確な年齢の定義はありません。
【 若くして亡くなった場合の、お悔やみの言葉 】
・ 「○○君は、成績も優秀でしたし、これからという時に本当に残念です」
・ 「就職して将来を嘱望されていましたので、本当に残念です」
などなどのように、故人の死を悔やむようなお悔やみの言葉をかけると、ご遺族の気持ちを察した、配慮ある言葉掛けとなります。
いかがでしたでしょうか。お悔やみの言葉をご遺族にかける時は緊張しますよね。こちらにそのつもりはなくても、デリカシーのない人だと思われたり、相手を傷つけてしまったらどうしようと思うと言葉をかけづらいものです。
しかし、家族を亡くしたご遺族にとって、お悔やみの言葉というのは時に落ち込んだ気持ちを救ってくれる貴重なものになります。
お悔やみの言葉として、言ってはいけない重ね言葉や、「死ぬ」などの直接的な言葉に気を使いつつ、ご遺族の気持ちに寄り添い、共感するような言葉を選んで声をかけてあげるのが、マナーのひとつです。
ご遺族と死をともに悼むことこそが、故人の供養にもなるのです。今回は場面別に、ご遺族に配慮したお悔やみの言葉を6つ、例として解説しました。定型文として使わずに気持ちを込めて言葉を伝えてください。
まとめ
場面別に使い分けるお悔やみの言葉とは
・基本は「心からお悔やみ申し上げます」
・相手を気遣って「さぞお力落としのことと思います」
・病死の時は「前回お会いしたときにはお元気でしたのに」
・お世話になった故人には「ご生前には大変お世話になりました」
・事故死の時は「突然のことで言葉もありません」
・若くして亡くなった故人には「これからという時に残念です」