焼香マナーのポイント。柔軟に対応するための基本とは

焼香マナーのポイント。柔軟に対応するための基本とは
焼香のマナーは宗教や宗派によって異なります。そのため、通夜では故人の宗教によって焼香のマナーも変わってきますが、すべての宗教や宗派のお焼香の仕方を完全にマスターするのは難しいですよね。

一度覚えたとしても、通夜は頻繁にあるわけでありませんから、忘れてしまうのも仕方のないこと…。しかし、宗教によって焼香の仕方が異なると言っても、基本的なマナーをおさえておけば、柔軟に対応することができます。

通夜は突発的に行われることがほとんどですから、参列する時には「隣の人のやり方を真似すればいい…。」と思いながら、焼香の順番が早かったら…、前の人が見難いかもしれない…、と心配にもなりますよね。

そこで今回は、仏教式の通夜でどんな宗派でも対応できるよう、基本的な焼香マナーを解説します。

 

焼香マナーのポイント。
柔軟に対応するための基本とは

 

焼香の順番

通夜に初めて参列する人は、焼香をする順番が決められているのか、不安になるもの。一般の参列者に関しては、焼香の順番は決められていません。

【 焼香マナー:順番 】

■ 遺族や故人に近しい人は配席が決められていますので、その席順通りに焼香を済ませればいいのですが、席が決まっていない場合は、会場に到着した順に行うのが焼香マナーです。

通夜の会場で、一般の参列者にも席が用意されている場合は、自分の前の順番の人が終わったら、自分の順番です。これは、どの宗派の焼香でも共通しているので覚えておくと困りません。

 

遺族と遺影に一礼

焼香のマナーで忘れてしまいがちなのが、遺族と遺影に向けての一礼。焼香の仕方を間違えないようにと思いすぎるあまり、焼香台にたどり着く前と後のマナーが頭から吹っ飛んでしまうのです。

【 焼香マナー:遺族に一礼 】

■ 焼香をする前後は、遺族と遺影に一礼すると覚えておくと安心です。

・ 正確には、焼香台の手前まで来たら、祭壇の左右に座っている遺族に一礼し、遺影に一礼します。

一歩前に出て焼香が終わったら、合掌して遺影に一礼、一歩下がって再び遺族に一礼するという順番です。

 

抹香と香炉の区別

焼香で自分の順番が回ってきた時に、焼香台の前まで辿り着いて困る可能性があるのが、抹香と香炉の区別がわからないという事。焼香をする時は、抹香をつまんで額まであげ、香炉の方に抹香を落とします。

【 焼香マナー:抹香と香炉 】

■ 抹香と香炉には名称が書いてあるわけではありませんから、自分で見分けなくてはいけません。

・ 基本的には、抹香が右、航路は左。この向きだけ覚えておけば、見た目で判断が難しい場合でも焼香マナーを間違えることはありません。

 

焼香の基本ステップ

焼香のマナーは難しいと思う人もいますが、実は至ってシンプルで、3つのステップだけ覚えておけばいいのです。その3つのステップというのは「押しいただく」、「くべる」、「合掌」です。

【 焼香マナー:3つのステップ 】

① 「押しいただく」というのは、抹香を親指、人差し指、中指の3本でつまんで額の前まで持ち上げること。

② 「くべる」は、額の前まで持ち上げた抹香を香炉に落とすことです。

③ これを宗派によって異なる回数分行ったら、合掌して遺影に一礼します。

 

抹香を押しいただく回数

焼香のマナーでポイントになるのが、抹香を押しいただく回数です。この回数は、真言宗が3回、日蓮宗が1回か3回、日蓮正宗が3回か1回、臨済宗は1回と宗派によってまちまち…。

そのため、故人の通夜の宗派によって抹香を押しいただく回数を間違えないようにしなくてはいけませんが、すべて覚えるのは大変ですから、前の人が行っていた焼香を見ておいて回数をチェックしておくと確実。

【 焼香マナー:押しいただかない浄土真宗 】

■ また、前の人が額まで持ち上げる動作をしていなければ、浄土真宗の宗派の可能性があります。

・ 浄土真宗は押しいただかずに1回くべるのがマナーですから、これだけは覚えておくと完璧です。

 

立礼、座礼、回し焼香の場合

通夜の焼香の仕方は、最近では立って行う立礼のケースがほとんどですが、座敷の会場では座って行う座礼や、焼香炉を回して行う回し焼香のケースもあります。とはいえ、焼香の手順は立礼の流れと同じです。

【 焼香マナー:座礼の場合 】

■ 座礼の場合は、自分の順番まで正座して待ち、立ち上がって焼香台の前まで行って正座をして焼香を済ませ、立ち上がって自分の座布団の所まで戻ります。

・ 回し焼香の場合は、焼香炉が回ってきたら、焼香マナー通りに済ませればいいのです。

 

いかがでしたでしょうか、焼香マナーは難しい、覚えられないと思って避けていた人が多いのではないでしょうか。

つい、通夜の当日にその場で「周りの人の真似をすればいいや…。」と思いがちですが、当日その場で不安な状態のまま焼香をすれば、故人に対する供養の気持ちがおざなりになってしまいます。

通夜は本来、故人を供養するための儀式。そして、焼香と祭壇に向かって行う合掌をする時は、特に故人に向かってお別れを言う最後の機会になります。

ですから、焼香マナーは事前に頭に入れておいて、当日は故人に対してお別れの気持ちを伝えることを大切にすべきなのです。

今回お伝えした焼香のマナーは、どれも難しいことではありません。基本的な焼香マナーだけ覚えておけば、どのような宗派、形式の焼香にも柔軟に対応できるので安心です。

まとめ

柔軟に対応できる焼香マナーの基本とは

・焼香は遺族が済ませた後に席順通りに行う
・焼香をする前後には遺族と遺影に一礼する
・右側にある抹香をつまんで左側にある香炉にくべる
・焼香の基本は額に押しいただく、くべる、合掌の順
・抹香を押しいただく回数は前の人を参考にする
・立礼、座礼、回し焼香でも焼香の手順は同じ


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