訃報は突然届くもの。葬儀の知らせを受けても、どうしても都合がつかずにお通夜や葬儀に参加出来ない時もありますよね。そんな時に必要となってくるのが弔電です。
弔電とは、どうしてもやむを得ない事情で葬儀に参列出来ない場合、喪主に対してお悔やみの気持ちを伝えるために打つ電報のことをいいます。葬儀の前は何かとバタバタしてしまいますので、少なくとも葬儀が始まる3時間前までには弔電が届くように手配するのが大人のマナー。
お悔やみという場面において、相手の顔を見ずに自分の気持ちを上手に弔電で伝えるためにはどのような文面にしたら良いのか悩んでしまいますよね。とはいうものの、時間までに弔電を届けるためには、心に響く文面を考える時間的な余裕はありません。
そこで今回はいざという時に慌てず、スマートに対応出来るよう、弔電を送る上で押さえておきたいポイントや知っておきたい例文をお伝えします。
弔電の体験談、
心に響いた例文からみるポイントとは
列席できない時にお悔やみを伝える、弔電
【弔電とは】
あなたが葬儀の知らせを受けたにもかかわらず、やむを得ない事情などで葬儀に参加出来ない場合、お悔やみとお詫びの気持ちを相手の方に伝えるために打つ電報のことです。
弔電は喪主や親族の方に向けて送るものですが、葬儀の中でも「弔電の紹介」という形で参列者の前で読み上げられます。葬儀の中で届いた弔電を全て読み上げることは時間的に難しいので、実際は2~3通の弔電が読み上げられ、あとは名前だけが読み上げられるという形がとられることが多いです。
このような理由から弔電は葬儀の段取りにも深くかかわってきます。
【弔電を送る場合のマナー】
なるべく葬儀の始まる3時間前までに届くように送った方がスマートです。
「ご冥福をお祈り致します」の意味とは?
「ご冥福をお祈り致します」という言葉はお悔やみの場において、耳にすることも多いですよね。ですので、はっきりと意味は知らないけれども、「なんとなく」といった感覚でこの言葉を使っている方も多いのではないでしょうか。
■ 「ご冥福をお祈り致します」の意味合い
「故人の死後の幸福をお祈り致します」という意味なのです。弔電で気を付けるべき点は、相手方の宗派です。厳密なルールでは浄土真宗やキリスト教では「冥福」という言葉は使いません。
実際葬儀に参列する場合はそこまで神経質になる必要はありませんが、弔電は形として後に残るものです。曖昧な知識で、知らない言葉を使わないよう気を付けると安全です。
「ご愁傷様です」の意味とは?
【弔電で、避けたい言葉】
■ 「ご愁傷様です」
この言葉を気軽に使っていませんか?実はこの「ご愁傷様」はお悔やみの場で使うにはちょっとリスクのある言葉なのです。
本来、「愁傷」とは自分の不幸を悲しむという意味や、相手の方の不幸を気の毒に思い心配するという意味を持った言葉です。
■ 最近は例えば休日に仕事が入った友人に対し、「ご愁傷様」という言葉をかけたりするように、近年では相手をからかうようなニュアンスも含めて使われるようにもなりました。
また、「ご愁傷様」の「ご」には「ご苦労様」「おつかれさま」のように相手をねぎらう気持ちを含めています。
これらの背景から「ご愁傷様」という言葉は、聞く人によっては皮肉や上から目線での意味合いに聞こえてしまう危険性があるので、弔電などではあまり使わない方が無難です。
「お悔やみ申し上げます」の意味とは?
「お悔やみ申し上げます」の言葉は、弔電でも喪主や遺族の方との会話の中でも使えるとても便利なフレーズです。
■ 「お悔やみ申し上げます」の意味合い
故人の方への弔いの気持ちを表す言葉で、一般的に宗派や立場を選ばずに使っても大丈夫です。
「ご愁傷様です」という言葉は相手を選びますし、「哀悼の意を表します」という言葉は弔電の中でしか使えない言葉です。「お悔やみ申し上げます」という言葉はいつでも使える、と頭に入れておくと便利です。
悲しみを伝える、弔電の文例
【弔電の文例、その1】
突然の悲報に接し、悲しみにたえません。
心より哀悼の意を捧げます。
これはストレートに悲しみを伝えることの出来る文例です。弔電といえども遺族の方の悲しみを煽るような過剰な表現は慎むべきですので、この文例のような表現が一番使いやすいでしょう。
お悔やみとともにお詫びも添える、弔電の文例
【弔電の文例、その2】
突然の悲しいお知らせを受け、驚いております。
弔問に伺えない非礼をお詫びしますとともに、
在りし日の○○様のお姿を偲び、心よりお悔やみ申し上げます。
葬儀の知らせを受け取ったからには、よほどの理由がない限り参列するべきです。とはいうものの、突然の訃報にどうしても対応出来ない場合もあります。そんな時にはこのような弔電を送るようにします。
葬儀に参列できない無礼をきちんとお詫びし、その上でお悔やみの気持ちを伝えることが出来れば、遺族の方の心に響く弔電となります。
ご家族の気持ちに寄り添う、弔電の文例その3
【弔電の文例、その3】
○○様のご逝去の報を受け、悲しみにたえません。
ご家族の皆様のご心情をお察し申し上げます。
お力落としをお慰めに飛んで参りたいのですが、遥かにご冥福をお祈りいたします。
この文例は、葬儀に参加出来ない旨を詫びつつ、ご家族の方の気持ちに寄り添うものになっています。身内で不幸があると精神的にも体力的にも辛いものです。そんな時「心情を察します」という一言はとても心に響くもの。是非参考になさってください。
いかがでしたでしょうか。今回は弔電を送る際に知っておきたいポイントや、参考にしていただきたい文例についてお伝え致しました。訃報は突然やってくるものです。悲しみで動揺する中で、きちんと失礼がないように対応するのは意外と難しいものです。
やむを得ない事情で通夜や葬儀に参列出来ない場合もあるので、とっさの事態に慌てず対応出来るよう、事前に弔電のマナーを頭に入れておくことを、おすすめします。
弔電は形としてご遺族の手元に残るものですので、失礼がないよう細心の注意を払いたいもの。とはいっても難しく身構える必要はありません。
今回お伝えしたポイントさえきちんと押さえておけば、いざという時にもスムーズに弔電を送ることが出来ますので、是非参考になさってください。弔電を送ったあとも、故人との関係性によっては、ご自宅へ訪問されることをおすすめします。
心からのお悔やみの気持ちが、お相手に届くよう、真心込めた弔電を送ってください。
まとめ
葬儀に参列できない時、弔電を送るマナーと例文
・弔電は葬儀開始の3時間前までに届くように手配しましょう
・「ご冥福をお祈りいたします」は宗派で使い分ける
・「ご愁傷様です」は弔電では避けましょう
・一番使いやすい表現は「お悔やみ申し上げます」
・シーンを選ばない弔電の文例
・葬儀に参列できない旨を詫びる弔電の文例
・ご家族の心情に気遣う「ご心情を察します。」