礼服を女性が選ぶことは、男性のブラックスーツのように、簡単にはいかない面があります。人生の中では、結婚式や葬儀、法事などさまざまな冠婚葬祭の場に出席する機会があります。その際、大人としてマナーをしっかり理解して出席、参列したいもの。
そこで大切なのが服装です。冠婚葬祭の場面では、決められた服装のルールが多々存在します。そこで本記事では、礼服の女性が覚えておきたい、基本的なマナーをお伝えします。
冠婚葬祭の礼服は女性の場合、知っているつもりでも実際に購入する時になって、「どうだったっけ?」と不安に思ってしまうことが多いです。それでは、いざ購入するときに、困ってしまいます。
そんな時のために、礼服を女性が選ぶ際に知っておくと便利な知識をバッチリお伝えしますので、近々礼服を女性の方で購入検討されているならば、ぜひ本記事を参考にしてください。
礼服を女性が選ぶ時に、
知っておきたい7つの基礎知識
弔事と慶事に活用できる服
礼服を女性が選ぶ場合には、服自体の素材や色から、アクセサリー、バック、足元まで細心の気遣いが不可欠です。ただ、その前に「礼服」の女性の役割は知っていますか?
【礼服とは】
冠婚葬祭の場にて敬意を表したり、その場に適した立ち振る舞いをするために着用する服装のことを指します。
従って、結婚式と葬儀、両方の場にて着用することが可能です。難しい点は若い女性の場合、結婚式での礼服の要素に、会場を華やかにする、飾る、意味合いも込められつつある点です。そのため礼服を女性が選ぶ時、多くのケースで結婚式用と喪服を分けて用意しています。
では、「喪服」とは、どのような服でしょうか?
【喪服とは】
葬儀のときにのみ着用する服です。
もし、葬儀に出席するためだけに購入するのであれば喪服でもOKですが、結婚式でも着用したいという方は、礼服を選びましょう。
礼服の色は決まっています
【礼服の女性が選ぶ色】
■ 服を女性が選ぶなら、基本的にブラックです。
しかし、礼服のブラックは、「深みのある黒」でなければいけません。素材にポリエステルなどが入ると、白っぽいような黒になる場合があるので注意が必要。
白っぽい礼服は安っぽく見えてしまう可能性もあるので、できるだけしっかりした黒を選ぶようにしましょう。特に女性の礼服を購入する際は、他の黒い服と比較しながら素材も確認して選ぶことを心がけてください。
結婚式ではOK!でも、葬儀ではNG!の礼服
【結婚式と葬儀兼用の礼服を選ぶ際の注意点】
■ 結婚式の礼服としてはOK!でも、葬儀の場面を配慮して、光沢のある生地は避けます。
結婚式の際は、ブラックでも光沢のあるものは華やかに見えて素敵です。しかし、葬儀の際に光沢のある礼服を着用するのはマナー違反。
女性の礼服を購入する際、素材は光沢感が出てしまう「シルク」、または「モヘヤ」がたくさん入っていないかどうかをチェックしてください。60%以上入っていると、光沢感が出てしまうので注意してください。
礼服の女性はスカート丈にも配慮を
礼服の女性は、前述でも述べたように、その場に適した立ち振舞いができる、格式のある服装が不可欠。確かに、結婚式ならば椅子に座る場合がほとんどのため、多少膝が見えても問題ありません。けれども冠婚葬祭全てに兼用であれば、話は別です。
【礼服を女性が選ぶ時に注意したい、スカート丈】
■ 基本的に膝上の短いスカートはNGです。
仏教式の葬儀では、正座をすることがほとんどです。膝より上の長さのスカートだと、正座をする際に、膝が丸見えになってしまいます。
お葬式はもちろん、フォーマルな会場での結婚式でも、露出は控えるのが基本的な冠婚葬祭のマナーです。そのため、ある程度膝は隠れる程度の長さは欲しいのです。礼服を女性が選ぶ時には、できるだけひざ下くらいの長さのものを選びます。
一方、ロングスカートは問題はありません。お通夜の席など、立場によっては手伝う可能性もありますので、フレアのロングスカートなど、動きやすい服装を心がけると理想的です。
礼服の女性が気を付けたい「素材」
レースやサテン生地など、透ける素材の礼服は、オシャレで華やかさも演出できるため、結婚式にはOKです。しかし、葬儀の際にこれらの素材のものを着用することは、厳密にはNGとされています。
【葬儀での礼服の女性のマナー】
■ 「深みのある黒」が基本です。
地域などによって、これらのルールが異なる場合もありますが、葬儀には年配の方も参列されます。年配の方のなかには、気にされる方もいるかもしれません。
冠婚葬祭の席のほとんどで、老若男女あらゆる人々が集います。全ての人々に不快な思いをさせない配慮として、できればレースやサテン地などの素材は避けた方がベストです。
袖や肩にも細心の注意を
礼服を女性が選ぶ時、基本的に露出は控えるのが絶対的なルールです。それはスカート丈や素材だけではなく、袖丈に関しても同じです。
【礼服の女性が選ぶ、袖丈】
■ 袖は短くても肘が隠れる長さのものを選びます。
半そでやタンクトップなど腕が出るものは避けるのがマナー。もし気に入った礼服が、半そでや短めの袖の長さであった場合は、その上からジャケットを着用してください。
葬儀の際は、夏場であったとしても、原則として長袖の上着を着用するので違和感はありません。フォーマルな結婚式や葬儀の席で、肩出しは基本的に避けます。結婚式ではボレロなどを羽織り、二次会などのカジュアルなシーンに移動してから、上着を脱ぐようにするのも一案です。
礼服の女性は、パンツスタイルでもOK?
礼服の女性といえば、ジャケットにスカートが思い浮かびますが、最近ではパンツスーツを着用している方もよく目にします。パンツスーツは着回しがきくので、女性の礼服に選びたいと思われる方は多いです。スタイリッシュなので、結婚式にもピッタリです。
【葬儀での礼服の女性の基本マナー】
・ 厳粛なルールがある葬儀では、正喪服を着るべき立場の近親者は、スカートの方が良いとされています。
・ 逆に一般弔問客や、親族の葬儀などの際は、パンツスーツでもOKです。
決められたルールではありませんが、特に年配の方は、パンツスーツは礼服であったとしても喪服としてとらえていない方もいらっしゃいますので、注意が必要です。
さて今回は礼服を女性が選ぶ時に、事前に知っておきたい基本的なルールとマナーを説明してきました。礼服を女性が着る場面は、もちろん冠婚葬祭です。そしてそこには、ちょっとした細かいルールが存在します。特に葬儀の場合、女性の礼服には気を付けなければいけないポイントが多々あるのです。
全身黒の基本の礼服を女性が選ぶ場合、一連のパールやブラックパールのアクセサリーに留めます。結婚式は、礼服の女性でも少し華やかにしたいシーンですので、インナーのシャツを明るい色にしてみる方法もおすすめです。また、上着のボレロやバックなどの小物で華やかに。コサージュ遣いで変化を出しても、雰囲気がぐっと変化します。
このように、礼服は着回しがきく服でもあるので便利ですが、葬儀で着用する際はマナー違反にならないように気を付けます。そして、女性の礼服を購入する際は、ぜひ本記事を参考に、慎重に間違えのない礼服をチョイスしましょう。
まとめ
冠婚葬祭に役立つ、女性の礼服の基礎知識
・併用可能!礼服は弔事と慶事両方に使用できる
・礼服は絶対黒。色味の深さにも気を付ける
・光沢のあるものは避ける。葬儀ではNG!
・短すぎないように。スカートは膝が隠れる程度がベスト
・厳密にはNG!透ける素材は避ける
・露出は控える。袖は肘が隠れる長さのものを
・場合によってはパンツスタイルでもルール違反ではありません