結婚式のウェルカムスピーチとは、披露宴のはじめに新郎新婦からゲストの方々にする挨拶の事を言います。
本来は媒酌人が挨拶を行っていたのですが、最近では媒酌人をたてずに新郎新婦が直接ふたりの言葉で感謝の気持ちを伝えるというケースが増えてきています。最近では「家」よりも、新郎新婦の二人が結婚式の主役であるという意識が強くなっていますから、そういった事情が背景にあるのではないでしょうか。
媒酌人がいれば内容をまとめて挨拶してくれますが、ウェルカムスピーチとなると新郎新婦が二人で話さなければなりません。披露宴の冒頭ですから盛り上げるためにも多少気のきいた事を言いたいものですね。しかし両家の親族やお世話になった人たちもたくさん来ておられますので、ちゃんと基本を踏まえてウケ狙いに行きすぎないように気を付けるべきです。
とはいうものの普段からウェルカムスピーチの基本や組み立て方を熟知している人は少ないのではないでしょうか。実際に結婚式を控えて準備で忙しい時には、考える時間もなかなかとれないでしょうから、その時のためにひと通りのことはつかんでおく事をお勧めします。
では件婚式のウェルカムスピーチの基本や組み立て方とは具体的にどのようなものなのでしょうか?
結婚式のウェルカムスピーチの参考に。
話の組み立て方7ステップ
①ウェルカムスピーチの流れ
結婚式のウェルカムスピーチは簡潔な内容で良く、長さも1~2分程度で構いません。後にはたくさんの挨拶やスピーチが控えていますからはじめから飛ばす必要はないでしょう。言いたいことはたくさんあると思いますが、挙式の報告と出席してくれたゲストへの感謝をシンプルに伝えることに絞りましょう。
ウェルカムスピーチのタイミングは下記のようになります。披露宴の冒頭で行いますので再度確認しておきましょう。
・ゲスト入場 → 新郎新婦入場 → 開宴の辞 → ウェルカムスピーチ → 新郎新婦紹介・・・・
ウェルカムスピーチはシンプルな内容で構いませんが、一通り盛り込むべき項目がいくつかあります。では順番にそれを見て行きましょう。
②ゲストの方々へのお礼
ご列席頂いたゲストの方々へのお礼を最初に述べます。例としては以下の通りです。
・本日は両家のために集まっていただき、ありがとうございます。
・本日はお忙しい中、私達の結婚披露宴にご列席くださいまして誠にありがとうございます。
・本日は皆様お忙しいところ、私たちの結婚披露宴にお運びいただきありがとうございます。
・このようにたくさんの方に祝福していただきながら新しい人生の門出を迎えることができ、感謝しております。
③挙式の報告
次に、無事に挙式が行われたことを報告します。神社やチャペルなど具体的な名称も入れるようにしましょう。以下の文例を参考にしてください。
・先ほど〇〇チャペルにおきまして挙式を行いました。ご列席頂き誠にありがとうございました。
・先ほど○○神社の神前におきまして、私達二人は夫婦の誓いを立て新たな夫婦となりました。
・私たちは先ほど○○教会で式を挙げ、新たな人生の第一歩を踏み出しました。
④披露宴の趣旨
三番目にこれからの披露宴の趣旨を述べます。結婚式を祝うために参列しているゲストの方々が、くつろいで楽しんで貰えるようにする表現とします。
・ささやかなおもてなしではございますが、皆様におくつろぎいただき楽しんでいただければと存じます。
・本日は、ご列席の皆様に楽しくご歓談頂ければと思い、この披露宴を準備させていただきました。
・本日は、日頃お世話になっている方々に感謝の気持ちをお伝えしたくこの席を設けさせていただきました。
・お世話になりました皆様に、結婚のご報告と感謝の気持ちをお伝えしたく、この席を準備して参りました。
⑤結びの言葉
最後に結びの言葉を述べます。述べた後で二人で礼をします。
・簡単ではございますが、披露宴開宴の挨拶とさせていただきます。
・お礼かたがた簡単ではございますが、私たちからの挨拶とさせていただきます。
・本日は誠にありがとうございました。
以上②~⑤を組み合わせれば基本的なウェルカムスピーチとなります。文章にしてせいぜい数行程度でいいんです。もう少し個性を出したい場合は以下を参考にして見てください。
⑥さらに一言
・親族やごく親しい友人などだけが参列するこじんまりした結婚式が最近増えています。そのような場合には「ごく内輪の席ではございますが楽しいひとときになれば幸いです。」などと言い添えて手作り感を演出するのもいいでしょう。
・時候を考慮するとなかなか気のきいたウェルカムスピーチになります。例えばひな祭りや子供の日が近ければ幼少時の思い出を、入学・卒業シーズンなら学生時代の夢などを、花火やクリスマスの前などではデートのエピソードなどを言い添える、といった感じです。
・ウェルカムスピーチで妊娠の報告をする場合もあります。デキ婚、最近では「授かり婚」と言う事が多いですが、それを咎める人も今の時代あまりいませんし、新郎新婦も事前に堂々と宣言していることが多いので、この席で改めてお知らせするという趣旨です。
⑦カジュアル感、くだけた雰囲気
結婚式のウェルカムスピーチは何もかしこまった雰囲気でのみするものとは限りません。ゲストも気心の知れた友人ばかり、親族もざっくばらんな人達であれば、ワルノリしない程度にユルくするのも良いでしょう。
「どうぞ私たちふたりを酒の肴にして盛り上がってください」「大いに飲んで、食べて、笑っていって下さい」とか「さきほどは神様の前で誓いをたてました。今から皆様の前で別の誓いを立てます。私は絶対太りません。」なども披露宴冒頭のつかみとしてはアリでしょう。
いかがだったでしょうか?
結婚式のウェルカムスピーチは、これから始まる「宴」の前口上みたいなものだと考えても良いかもしれません。お祝いしてくれてどうもありがとう、お返しにごちそうを堪能していって下さい、という「お・も・て・な・し」の心が大切です。「おもてなし」には、楽しんでもらおうというサービス精神とともに、不快な思いをさせないという気遣いの意味も含まれています。
その二点がきちんと守られていて、独りよがりや分かったつもりにさえなっていなければ、良いウェルカムスピーチになるでしょう。そしてひいては良い結婚披露宴になることでしょう。
まとめ
結婚式のウェルカムスピーチの参考に。話の組み立て方7ステップ
①ウェルカムスピーチの流れ
②ゲストの方々へのお礼
③挙式の報告
④披露宴の趣旨
⑤結びの言葉
⑥さらに一言
⑦カジュアル感、くだけた雰囲気