親しい方への出産祝いで悩むのはその金額やプレゼント内容ですが、贈る際のご祝儀袋選びとその書き方も悩んでしまうことの一つですよね。そもそもご祝儀袋は結婚祝いや出産祝いなど、いわゆる『おめでたい』シーンで登場するアイテムです。
どちらもおめでたいのは一緒なのですが、特に『出産祝い』ということで、ごく一般的なご祝儀袋では少し味気ない印象もあり、他とは違うものを選んでみたいという声も耳にします。
家族が増えた喜びに相応しい、お相手に喜んでもらえる、個性があるものを選びたい気持ちはあってもそれが適切かどうかを考えると、なかなか決められません。
今まで知っている様で知らなかった、ちょっと難しい出産祝いの常識。そこで今回はそんな出産祝いのご祝儀袋の選び方や書き方についてお伝えします。
出産祝いのご祝儀袋はどんなもの?
選び方から書き方まで
『蝶結び』が基本
出産祝いのご祝儀袋はその選び方と書き方がポイントになります。
ご祝儀袋の売り場でまず気付くのは『水引き』の色と種類。当然のことながらお祝いですから紅白と白黒なら前者を選ぶのはおわかりかも知れませんが、それ以外にも選ぶポイントはたくさんあります。
水引きの種類には『蝶結び』『結びきり』『あわじ結び』の3種類。その結び方にもきちんと意味があります。
『結びきり』『あわじ結び』は水引きを固く結んでいて一度結んだらほどけない『絆』に例えられ、結納や婚約、結婚祝いなどに最適です。二度と繰り返さないという願いをこめて、御見舞や快気祝いにも使われることもあります。
一般的なお祝い事に使われるのは『蝶結び』で、何度も結んだりほどいたりできる結び方となり、人生に何度あっても良いお祝い事に用いられます。つまり出産祝いは何度あっても嬉しいことなので、この『蝶結び』の水引が最適なのです。
5万円前後など高額なお祝いを包む場合、金額に見合った豪華な祝儀袋を選ぶ方が見劣りせず尚良いとされています。職場からは、贈る相手の立場に関わらず一般的な水引のご祝儀袋が無難です。
3万円前後の場合も、比較的高額の部類に入り、親族や職場など団体で贈る場合も多いようで、金額に見合ったある程度豪華なご祝儀袋を選ぶと良いといわれます。
また、もしこの金額プラス出産祝いを他にも用意している場合は、そのプレゼントのデザインと合わせた祝儀袋を用意すると、よりセンスの良い出産祝いになり、贈られるお相手を喜ばせることができます。
ごく一般的な1万円前後の出産祝いは、出産祝いのご祝儀袋も少し遊び心が発揮できます。お相手の趣味や生まれた赤ちゃんの性別がわかれば、出産祝いらしい可愛いデザインの祝儀袋を選ぶと喜ばれますよね。
祝儀袋選びのポイントは、渡すお相手のことを考えて、一般的な祝儀袋にすべきか、デザイン性の高い可愛らしい祝儀袋を選ぶかが第一歩です。
最近ではデザイン性を重視したポップなカラーの水引や変わり結びなど様々な出産祝い用の祝儀袋など豊富なアイテムが並んでいます。
生まれた赤ちゃんの性別がわかるのなら、祝儀袋の色選びにもそれを反映させてみるのも楽しいですね。
出産祝いの書き方は「御祝」「お祝」「祝御出産」「御出産御祝」「祝御安産」
出産祝いのご祝儀袋の書き方にも決まりがあります。出産祝いの表書きの書き方で一般的なのものは「御祝」「お祝」や「祝御出産」「御出産御祝」「祝御安産」などです。
その下に贈り主の姓またはフルネームを記入するのが出産祝いの書き方のルールです。連名なら左右に2人の名前を記入します。
もし、夫婦で連名にするという場合には、中心にご主人さま、その左側に奥さまの名前のみ記入するのがスタンダードです。職場など団体の場合は◯◯一同と書き、出資したメンバーの氏名を書いた紙を袋の中に入れておきます。
中袋が入ったタイプの出産祝いの書き方は、中袋に金額を記入します。無地の縦型の中袋の場合には表に金額を『旧字体』の漢数字で縦書きに書くのが慣例ですが、自信がない場合には一般的な漢数字でも問題ありません。
あらかじめ金額を記入する欄が印刷されている袋の場合には、その欄に収まるように金額を書きます。また、中袋の裏には、左下に氏名(フルネーム)と住所を書くと親切です。
出産祝いのご祝儀袋の書き方として筆記用具の選び方にも注意が必要です。筆記用具は筆ペンまたはサインペンを使用します。ボールペンや万年筆、薄墨(仏事の書き方)でお祝いを書くのは失礼にあたります。
水引で個性を出す
お付き合い自体は大人同士のお祝いのやりとりですが、赤ちゃんが女の子なら女の子らしく、男の子なら男の子らしい祝儀袋を選ぶのがオススメです。
最近では水引も様々なデザインがあって、特に出産祝いのご祝儀袋として最適な可愛らしいものも多く目にします。
例えば、男の赤ちゃんが産まれたご家庭への出産祝いには京水引の若き大将のイメージのものや、おめでたいものを運んでくる宝船、可愛い犬などもあります。
女の赤ちゃんには、京水引の可愛いお姫様のイメージのものや、寄り添うハートや金のハートが可愛いお子様をイメージのものなどがあります。
鳳凰、鯛、鶴、梅、など出産祝いにぴったりな水引や水仙、福寿草、桜、牡丹、すずらん、花菖蒲、紫陽花、ハイビスカス、ひまわり、桔梗、菊、コスモス、薔薇など様々な季節のお花の可愛らしい水引が施されたご祝儀袋なら心に残る御祝になりますよね。
お誕生の季節のお花や赤ちゃん、ファミリーなどの雰囲気に合わせて、定番のものとは一味違うご祝儀袋を選んでみてはいかがですか?
いかがですか。以上が出産祝いに最適なご祝儀袋の選び方と書き方です。無難な定番の出産祝いにするも良し、個性を出すも良し…本来、新しい家族の誕生を我が事の様に喜ぶ気持ちがあればそれで良いのです。
とは言え、冠婚葬祭にマナーはあります。最低限のマナーを守りつつもほんの少しの遊び心を効かせる、そのバランスが絶妙にとれているとセンスの良さが光るもの。出産祝いでもそんなお祝いができると良いですね。
ですから、出産祝いの表書きも、書き方のポイントはきちんと押さえておくべきでしょう。とても親しい間柄だとついおざなりになりがちで、時折、何も書いていないご祝儀袋でお祝いを頂くこともあります。ですが、親しき仲にも礼儀あり。格式ばったことが苦手でもここはきちんと礼儀を守り、心からお祝いを贈りましょう。
まとめ
出産祝いのご祝儀袋、選び方と書き方とは
・出産祝いのご祝儀袋は『蝶結び』が基本
・出産祝いの表書きは「御祝」「お祝」「祝御出産」「御出産御祝」「祝御安産」
・ご祝儀袋は水引で個性を出す