葬儀での挨拶というのは想像しただけでも気が重いものですが、もし自分が喪主になり挨拶の必要がある場合どのようにすればよいのか気になりますよね。葬儀は何の前触れもなく突然やってくる場合もあれば、すでに心の準備が整っている場合もあるでしょう。
喪主としての役割をふまえ、心を込めて述べる葬儀での挨拶はご参列いただいている方々へのお礼と故人への感謝の言葉としたいものです。
葬儀の挨拶は悲しみの中で行われ、計り知れない不安と緊張があることでしょう。その緊張の中でも喪主として葬儀の挨拶をしなければなりません。将来、喪主になることも予想されます。葬儀で挨拶をするというのはとても大変なことですが故人の供養のためにも心を強く持ち乗り越えたいものですね。そこで今回は葬儀の喪主挨拶で外せない5つの「言葉」と「ポイント」をお伝えします。
葬儀の喪主挨拶で外せない
5つの「言葉」と「ポイント」
故人との関係性を紹介する「長男の○○と申します」
葬儀の挨拶を喪主として行う場合、まず故人との関係性を述べ、その後に会葬・ご焼香のお礼へとつなげるとよいですね。喪主に選ばれるということは故人にとってとても近い人であることが予想されますが、葬儀で初めてお目にかかる方も多いはず。葬儀挨拶の冒頭で故人との関係性を述べることで、参列してくださった方々も、何故喪主であるかを理解してくださることでしょう。
例として
【長男の○○と申します】
【父親の○○と申します】
【夫の○○と申します】
などシンプルな方が聞き取りやすいでしょう。「~~と申します。」という言葉遣いは謙譲語であり参列の皆様への配慮にもなります。
弔問へのお礼には「ご多用中にも関わらず」
葬儀の挨拶の冒頭に故人との関係を述べた後、参列していただいたことへの感謝の気持ちを述べましょう。お忙しいところ、あるいは遠方から駆けつけてくださった方々への労いの気持ちを伝えるとよいですね。例として
本日はご多用中にも関わらず、またご遠方より亡き父○○の葬儀にご会葬くださり誠にありがとうございました
葬儀の挨拶では参列者への、この「お忙しいところ」・「ご多用中」という言葉は典型でありながら心のこもった言葉がけになります。葬儀の挨拶は悲しみで胸あふれても参列の皆様に穏やかにお礼を述べることで、その気持ちが伝わることでしょう。
故人のエピソードを述べる時「実は~」
葬儀の挨拶を喪主として述べる際、生前の故人の人柄がわかるような思い出にふれるとよいですね。参列者の多くの方が知っているエピソードは故人を偲び、場があたたかくなるものです。加えて家族だけ、もしくは喪主だけが知っている故人とのエピソードを披露すると参列者にはさらに印象深く残る挨拶となります。
故人の人柄が伝わり有意義なお別れのひと時となることでしょう。
父は頑固者で大変厳しく、私には怖い存在でした。実は高校時代、進路を迷っていると今までになく優しい口調で、「お前は賢い。自分で決めて自分で歩くように」と言ってくれました。あの一言がとても自信になり今の自分があります
身内だけが知っている子を思う父親としての心情が伝わりますね。
葬儀の挨拶で、「実は~」と思い出のワンシーンを披露すると参列者もさらに耳を傾けてくださり、で故人の人柄が伝わることでしょう。
生前のお世話になったことへのお礼を表現する「皆様のおかげで~」
葬儀の挨拶で外せない言葉として、「皆様のお陰で~」が挙げられます。例として
皆様のお陰をもちまして、昨日の通夜・本日の葬儀を滞りなく執り行うことができました。皆様からの心のこもったお別れの挨拶を賜り父○○もさぞかし喜んでいることと存じます。
葬儀の挨拶で「お陰をもちまして~」という言葉を聞いた参列者はこれから遺族のために何かあったら協力したいと感じやすくなりますね。
今後の支援をお願いする「ご指導ご鞭撻を~」
葬儀での挨拶は、悲しみの中にある遺族の代表として、大変な心的負担もあることでしょうが、故人を想い参列くださった方々に感謝の気持ちを心から伝えたいものです。お礼に加えて残された遺族への今後の支援をお願いし、改めてお礼を述べると葬儀での喪主としての挨拶がきちんとまとまります。例として
どうか皆様、未熟な私どもではございますが、父の生前と変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう心よりお願い申し上げます。
本日はご多用中のところお見送りいただきまして誠にありがとうございました
ご指導ご鞭撻という言葉を使い、参列の方々を敬った表現で締めくくりましょう。
いかがでしたか。葬儀の喪主挨拶で外せない5つの「言葉」と「ポイント」をお伝えしました。葬儀の挨拶というのは悲しみの中に冷静さが求められます。喪主という大役を引き受けた以上立派に成し遂げたいものですが、胸がいっぱいになり言葉を詰まらせることもあるでしょう。それは故人を想う心の表れでもありますね。誰も責めたりしないものです。
葬儀での挨拶は、大事なポイントとなる言葉を用意してゆっくり述べ、深く一礼をするだけで参列者には十分に伝わることでしょう。事前に文章を紙に書いて見ながら読んでも失礼にはあたりません。葬儀での挨拶というのはうまく話そうとするより、参列の皆様へ喪主として感謝の気持ちを直接伝えることが大切なのです。
まとめ
葬儀の喪主挨拶で外せない言葉は
・故人との関係性を述べる際は「長男の○○と申します。」
・参列者へは「ご多用中にもかかわらず~。」
・喪主ならではの故人のエピソードを伝える際の出だしは「実は~」
・生前のお礼は「皆様のお陰で~」
・残された遺族への支援を「ご指導ご鞭撻のほどを~」