神道の葬式へ参列する。理解すべき仏教式との7つの違い

神道の葬式へ参列する。理解すべき仏教式との7つの違い
神道の葬式に参列する機会はあまりありませんよね。日本の葬式と言えば仏教式がほとんどで、全体の約90%が仏教式なのですが、ごくわずかながら、神道の葬式が行われることがあります。

もしかすると、「神道」という言葉自体を、初めて耳にした人もいるかもしれません。そんな確率の低い神道の葬式に参列することになった場合、どんなことに気を付けなければならないのか、戸惑ってしまうのは当然です。

仏教式では当たり前とされている数珠も、神道式ではまた違ったルールがあるなど、「葬式はどれも同じ」と言う考えでは、大恥をかくことにもなってしまいます。

とは言え、神道の葬式は全国的にも稀なため、両親や周囲の人々に尋ねたところで、安心して参列できる答えが返ってくることは、そうそうありません。その上通夜や告別式は突然の訃報でもたらされるもの…。

何の理解もなく神道の葬式に参列することは、さすがに不安ですよね。そこで今回は、神道の葬式に参列する際に、最低限理解しておきたい仏教式との違いをお伝えします。



 

神道の葬式へ参列する。
理解すべき仏教式との7つの違い

 

神道と仏教


冒頭でも触れましたが、あなたは「神道」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。あまり聞きなれないかもしれませんが、神道も昔からある日本の宗教です。

【 神道と仏教の大きな違い 】

■ 神道と仏教では崇拝の対象が異なります。神道は神様、仏教は仏様です。仏教でも神様の存在はありますが、考え方は神道と異なり「形あるもの」とされています。

・ 一方神道では、「八百万の神」と称されるほど対象が多く、動物や植物、生命のないもの(たとえば岩や水)までにも神や神聖なものが存在するとされています。

森羅万象は神々によって生み出され、全ての自然には神が宿るとされる、いわば精霊信仰的な宗教なのです。

また、崇拝場所も異なります。神道は神社、仏教はお寺です。なんとなくイメージはついたでしょうか。日本人なら、初詣や合格祈願、お宮参りや七五三など、もしくはそれ以外の目的で神社に行きますが、実はこれらは神道の考え方なのです。

■ このように、実は神道も日本人の生活に深く根付いています。

神道の葬式の考え方


ご存知の方も多いように、仏教では死後は仏様になると信じられています。仏様を拝み崇めることは、日本人にとって当たり前の認識になっていいます。

【 神道の葬式の考え方 】

■ しかし神道では、死後は家に留まり子孫を守る神様になると信じられています。

・ このため神道の葬式は守護神になるための儀式とされ、仏教式と異なることがたくさんあるのです。

 

神道の葬式の基本知識いろいろ


【 神道の葬式の基礎知識 】

① 数珠は不要

・ 神道の場合、仏教とは違い数珠は不要です。数珠を持って手を合わせるとマナー違反になりますので注意が必要です。

② 「ご冥福」などの言葉は不要

・ 仏教ではお悔やみの言葉として「ご冥福をお祈りします」といった言葉を使いますが、「冥福」は仏教の言葉ですので神道で使用するのはマナー違反です。他にも、「供養」、「成仏」、「合掌」などもNGです。

神道の場合は、「ご帰幽の報に接し心からお悔やみ申し上げます」や「御霊(みたま)の安らかに鎮まり給うことをお祈り申し上げます。」などと声をかけます。

③ お焼香、お線香を用いることはない

・ 神道の場合、お焼香やお線香をあげるのではなく、「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」と呼ばれる儀式があります。玉串とは、榊の小枝に紙片(紙垂/しで)を結び付けたものです。

④ 不祝儀袋の表書きは「御霊前」、「御神前」、「御玉串料」など

・ 香典という言葉は仏教の言葉になるため、神道では使用しません。不祝儀袋は蓮の花が入っていないもの。水引は黒と白の結び切り、表書きは「御霊前」、「御神前」、「御玉串料」などとします。

表書きの「御霊前」はどの宗派でも使用することができますので、もし宗派がわからないときには「御霊前」を使用するといいですよ。

⑤ 戒名ではなく諡(おくりな)をつける

・ 仏教では、お金を払って戒名(亡くなった後につけてもらう名前)をもらいますが、神道では戒名というものではなく、諡というものが全員につけられます。仏教とは違い、つけられないことはありません

⑥ 仏壇ではなく祖霊舎(みたまや)

・ 仏教式では、亡くなった後お仏壇に向かって手を合わせますが、神道ではケヤキやヒノキで作られた祖霊舎になります。要するに神棚です。神棚には、祖先の霊を守護神として祀ります

 

葬式の場所


神道は神社とお伝えしましたが、葬式が神社で行われることはありません。神社は神様を祀ったところですので、「穢れ」とする死を持ち込んではならないのです。

【 葬式の場所 】

■ 神道の葬式は基本的に自宅で行われます。しかし最近では、斎場で執り行われることも多いです。

 

いかがでしたでしょうか。神道の葬式はあまり馴染みがないかもしれませんが、神道の考え方は私たちの生活にも深く根付いていることに、気付いた方々も多いかもしれません。代々のご先祖様を崇拝するという考えも、もともと神道の考え方なのです。

初詣やお彼岸、キリストの誕生祭であるクリスマスなどの行事においてまで、私たちの周りにはさまざまな宗教が入り混じっています。日本人の宗教観は独特と言われるのも無理はありません。

だからと言って、どんな場面でも自由な考えでいい、ということではありません。神道の葬式に参列する際には、神道の考えに基づいたマナーを身に着けて、ご遺族に不快感を与えないようにしたいですよね。

神道の葬式と仏教式の違いを理解して、神道の葬式でもマナー違反にならないよう、堂々と参列してください。

まとめ

神道の葬式 仏教式の違い

・死後、神道では神様、仏教では仏様になる
・数珠は不要
・ご冥福は仏教の言葉。神道では御霊を使う
・お焼香、お線香ではなく、玉串奉奠を行う
・不祝儀袋の表書きは「御霊前」「御神前」「御玉串料」
・戒名ではなく諡(おくりな)をつける
・仏壇ではなく祖霊舎(みたまや)に祀る