のし袋のマナー☆冠婚葬祭で種類が違う選び方を徹底解説

のし袋のマナー☆冠婚葬祭で種類が違う選び方を徹底解説
「のし袋」には様々な種類がありますよね。百円ショップやコンビニでもすぐ入手できますし、文具店に行けばさらに多くののし袋が並んでいます。

水引が実物でも印刷されているものでも「紅白」はお祝い事、「黒白」は不幸があった時に用いる、というのは誰もが理解できることでしょう。しかし、紅白ののし袋には、大きく分けて水引の結び方が2種類あるのをご存知でしょうか。具体的に言えば「蝶結び」と「結び切り」がありますが、例えば結婚式のご祝儀用ののし袋にはどちらの種類を選べば良いのか、お答えになることはできますか?

もしこの質問の答えがわからなかったとしても大丈夫。この機会にぜひ覚えておきましょう。そこで今回は、まずは「のし袋とは何か」をお伝えした後、のし袋の種類別に「どのようなケースに用いるものか」をお伝えいたします。

 

のし袋のマナー☆
冠婚葬祭で種類が違う選び方を徹底解説!

 

のし袋の「のし」とは何か?

紅白の水引がかかっている、もしくは印刷されているのし袋の右上を見ると、小さな飾りがあります。この飾りの中央にある「黄色く細長いもの」が「のし」です。

「のし」はそもそも「のしあわび」の略です。のしあわびとは、あわびを薄く剥いで、引き伸ばして乾燥させたもので、古くから神事のお供え物として用いられてきました。それがやがて縁起物として、贈答品に添えられるようになったのです。

のしは慶事と一般の贈答品に使われるものであり、弔事には「生臭物を忌み嫌う」ということから使いません。ですから弔事の場合の「のし袋」という言い方はあくまでも通称だと思ってください。その証拠に、黒白の水引の「のし袋」には「のし」がついていないはずです。ちなみに一般の贈答品でも、肉類・魚介類(鰹節なども含む)を贈る時には、本来はのしは使いません

 

のし袋の水引の「結び切り」の意味

のし袋にはどんな種類でも「水引」がかかっています。印刷されていることもよくあるこの水引の結び方には、大きく分けて2種類あります

まずは「結び切り」です。この結び方は本来は「ま結び」と呼ばれ、固く結ばれて解くのが難しい結び方です。したがって「二度とあってはならない」「一度きりにしたい」という意味を持ち、弔事や病気見舞い・災害見舞いに用いられます。

また「結び切り」の一種である「あわび結び」も簡単には解けず、互いの輪が互いに結び合っているので「末永いお付き合いを」という意味も込められ、結び切りと同様の用途に使われます。なお「結び切り」も「あわび結び」も「固く結ばれて解けない」ことを願い、婚礼関係に用いられる結び方です。

 

のし袋の水引の「花結び」の意味

「花結び」は一般的に「蝶結び」と呼ばれる結び方で、ふたつの輪ができるために「もろわな(双輪)結び」とも呼ばれます。意味としては簡単にほどけて、何度でも同じように結ぶことができるので「何度繰り返してもよいこと」の意味があります。

したがって、花結びは婚礼関係以外の一般的な慶事に使われるほか、お礼・ご挨拶など際にも用いられます。なお弔事は「何度繰り返しても良いこと」ではないので、「花結び」ののし袋が存在しません。

 

用途が「婚礼関係」の時ののし袋の種類

ここからはもう少し詳しく、用途別ののし袋の種類についてお話を進めます。まずは婚礼関係ののし袋のお話です。

婚礼関係ののし袋の水引は「合計で10本」と決まっており、水引の色は「紅白」または「金銀」となります。そして結び方は先にお話しした通り「結び切り」か「あわび結び」となります。なお「包む金額」が高額であればあるほど、それに合わせてのし袋の種類も高価な飾りがついたものや、華やかなデザインのものを選ぶのがマナーです。

結納金・婚約祝い・結婚祝いなどにはこのようなのし袋を選びますが、「結婚に関するお礼」ののし袋にもこの種類のものを用いますので、覚えておくと便利です。

 

用途が婚礼関係以外の「慶事」の時ののし袋の種類

以下の「慶事」の時ののし袋の種類は、紅白の水引の「花結び」となります。

・子どもの誕生のお祝い:出産祝い

・子どもの成長のお祝い:入園祝い・入学祝い・卒業祝い・合格祝い・成人祝い・就職祝いなど

・長寿のお祝い:還暦祝い・古希祝い・米寿祝いなど

・その他のお祝い:昇進祝い・定年退職祝い・新築祝い・受賞祝いなど

また、紅白の水引の「花結び」ののし袋は、お車代やお餞別、一般的なお礼の際にも使われます。

 

用途が「お見舞い」の時ののし袋の種類

病気見舞い・災害見舞いには通常紅白の「結び切り」「あわび結び」ののし袋を使いますが、慶事ではないため「のし」がついていないものを選んでください(「のし袋」は通称です)。もしも紅白の水引に抵抗があるようでしたら、のし袋の代わりに白封筒を使っても構いません

 

用途が「弔事」の時ののし袋の種類

葬儀や法要の「形式」によって若干のし袋の水引の色の種類が変わります。なお「のし袋」と呼んではいますが「のし」はつけません

・仏式:水引は黒白または双銀(地方によっては「黄白」)の結び切り。蓮の花の模様が入った仏式専用のものでも可。

・神式:→水引は黒白・双銀・双白の結び切り。

なおキリスト教式は、白無地封筒または百合の花や十字架がプリントされた専用の封筒を用います。もしも形式がわからなければ「黒白の結び切り」を用いると良いでしょう。

なお、寺院への「お布施」はのし袋ではなく、現金を半紙でくるんで中包みを作り奉書紙で上包みをかけるか、白封筒を使うのが一般的です。

 

いかがでしたでしょうか。のし袋の種類についてお伝えしました。「のし袋」と呼んではいるものの「のし」が実際はつかない種類のものもありますが、ここではあえて聞きなれた呼び方に合わせてお伝えしました。慶事に使うのし袋は「祝儀袋」、弔事に使うものは「不祝儀袋」とも呼びますので、合わせて覚えておくと良いでしょう。

のしにしても水引にしても、様々な意味があることに驚かれたかもしれません。しかしこの意味を覚えておけば、今後は迷わずにのし袋の種類を、様々な用途に応じて選ぶことができるはずです。慶事も弔事も、年齢を経れば経るほど、また人間関係が広がれば広がるほど関わる機会が多くなりますから、周りの方と気持ちよくおつきあいをするためにも「のし袋の種類」をきちんととらえておきたいものです。

まとめ

のし袋の意味やその種類の違いとは

・のしとはそもそも「縁起物」
・「結び切り」は「繰り返してはならないこと」「深いお付き合いを」の意味を持つ
・「花結び」は「何度繰り返しても良いこと」の意味を持つ
・「婚礼関係ののし袋」は「紅白または金銀・結び切り」
・「婚礼関係以外の慶事ののし袋」は「紅白・花結び」
・「お見舞いののし袋」は「紅白の結び切り」が原則・のしはつけない
・「弔事ののし袋」は「黒白・双銀」が原則で「結び切り」・のしはつけない


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