密葬と言うコトバを聞いてしまうと、どうしても芸能人や文化著名人の有名な方々たちがお亡くなりになられたケースを連想します。
新聞やテレビ・雑誌などのマスコミニュースで、「葬儀は故人の強い希望で、密葬にて執り行われました」や「近親者のみの、密葬で行なわれました」などと、報道されることがあるからです。
こうして聞いていると、なんとなく近親者だけで行なう葬儀が、「密葬」だというイメージが非常にあります。けれども実は、「家族葬」も密葬と同じように、近親者だけで行なう葬儀なのです。
本記事では「密葬」とは、どのような形式で行なう葬儀スタイルなのか、また、家族葬と比較した場合にどんなところが違うのか、をお伝え致します。本記事を参考に、納得の行く葬儀スタイルを選んで下さい。
密葬を選ぶ前に。
知っておきたい基本知識と手順
「密葬」とはどの様な葬儀スタイルなのか
「密葬」とはそのまま「秘密の葬儀」から来たコトバです。この場合の「秘密」というのは、「近親者以外には閉じられている」という意味であります。
【 密葬とは 】
■ 近親者のみで執り行われる葬儀のことを言います。
「どうして、近親者のみで執り行うの?」というところに意味や理由があります。本来の密葬とは…、一般的な密葬とは…、密葬と家族葬との違いなどそれぞれのご説明をします。
本来の密葬とは
理由は人によって様ざまですが、近親者以外を呼びたくない理由でひっそりと行ないたい諸事情も多々あります。
【 本来の密葬の意味合い 】
■ 「近親者以外には閉じられた葬儀」の意味が「密葬」です。
現代では、例えば経済的な理由、自分の子供が亡くなってとても人前に出るのが辛くて気持ちの整理がつかないといった場合でも、密葬の選択は不自然ではありません。
このように、何らかの事情によって、ご近所の方や友達・知人を呼ぶことのできない時に行なわれる葬儀のことが密葬と呼ばれてきました。
現代の「密葬」のイメージ
密葬の後には本葬が必ずあると言うものではなく、むしろ、本葬が無いことのほうが意味合いとしては正しいと考えられます。しかし、一般的には密葬を行なったといいますと、その後に本葬やお別れ会、社葬などがあると思われがちです。
■ これは、芸能人や文化人、企業の代表者や政治家など、葬儀参列者が非常に多いと予想される方が亡くなられた場合の「密葬」が一般的になったためです。
通夜・告別式を行なう一般的な葬儀を行なうと、非常に大規模な葬儀となり、準備時間が非常にかかるため、近親者のみで先にお別れを済ませ、お骨にしてから、本葬を行なうケースが当たり前のように行なわれてきたことによります。
【 現代の一般的な密葬の意味合い 】
■ 本葬が大規模になるために、事前に親近者のみで行なわれるものになっています。
・ そのため、一般的に密葬をするということは、簡単な葬儀や火葬のみの葬儀、ましてや費用の負担を軽くするための葬儀ということでは、ありません。
密葬と家族葬の違い
核家族化や社会的な経済的事情等から、葬儀という儀式においても「義理や付き合いを避けて行いたい」「費用的な負担をできるだけ抑えて行いたい」という声が多くなりました。
この声に葬儀社が応え、低価格化、儀式内容と料金をできるだけ控えて、ニーズに応えたプランが「家族葬」。今、最も求められている葬儀のスタイルかもしれません。この家族葬ですが、家族だけの密葬(家族葬=密葬)と思われる方が多いのです。
【 密葬では 】
■ 社葬など後日改めて通知を出して、本葬を行う前の葬儀(火葬)が一般的です。
家族葬は参列者を親族等に制限して、しめやかに行われる葬儀です。参列者を親族等に制限して、しめやかに行われる葬儀の意味合いが強いため、そういう意味では「家族葬」=「密葬」は間違えではないのかもしれません。
【 家族葬とは 】
■ 「最期の限られた時間を、愛する家族と一緒に過ごしたい。」という「想い」をカタチにしたものです。
密葬の手順
もし、密葬を行うときには、どのようなやり方で進めればいいのでしょうか?
密葬の手順について簡単に説明しますと、密葬が一般葬と大きく違うのは、参列者の数にあります。また、祭壇費・式場使用料・通夜振る舞いなどにかかる費用も大きく軽減できるのも特徴です。
進め方は一般葬とは変わりませんが、注意が必要なことがあります。
【 密葬を行う際の流れ、注意点 】
■ 密葬が行われた後に周囲に伝えるなど、故人が亡くなったという連絡のとり方については注意が必要です。進め方や費用についてはさまざまな種類があります。
密葬の一般的な進め方・流れは、『搬送(病院や自宅から)』→『安置』→『納棺』→『お通夜』→『葬儀』→『告別式』→『火葬』です。
お葬式を広く行い、ご近所様や知人や友人、会社の人々など、多くの人々に弔ってもらうスタイルが日本では一般的です。長い人生を全うされた場合などは、和やかに多くの人々に参列してもらうと、故人も喜ぶはずです。
けれども人には様ざまな想いや後悔もあります。時には故人が生前残した遺書や手紙に、ごく身内のみの葬儀の希望が書かれていた、と言うケースもあるかもしれません。そんな時には出来るだけ故人の希望を叶えたい、と思うのがご遺族の素直な気持ちではないでしょうか。
そんな時は現代ではもちろん、家族葬を選ぶ場合もありますが、もしも「それでも、故人を偲びたい」と申し出る人々が多いのであれば、後々故人を偲ぶ会を開きながら、しめやかに密葬を選ぶと、皆が納得できるのかもしれません。
ぜひ本記事を参考に、後悔のないお葬式を執り行って下さい。
まとめ
密葬を執り行う場合、事前に理解したい知識とは
・近親者のみで執り行われる葬儀が「密葬」
・「近親者以外には閉じられた葬儀」が本来の「密葬」
・本葬が大規模になるために、事前に親近者のみで行う密葬
・現代の密葬は「本葬を行う前の葬儀」家族葬は「家族のみ」
・密葬が訃報の連絡のタイミングについては注意が必要