葬儀に参列する時には香典を準備しますが、その香典を連名で出すとなると、どう書いてよいのか迷うこともありますよね。単独で渡すなら自分の名前を書きさえすればよいのですが、連名の場合は夫婦で書くものから会社関係、友達どうしなど様々なパターンがあります。
全て同じ書き方でよいのか、それぞれのケースに応じた書き方があるのか、そこを知らずに香典を連名で渡してしまうと、恥をかいてしまう可能性もあります。また、不幸は急に訪れるものですから、その時に調べようとしても、そんな余裕もないことでしょう。
恥をかいたりその場で慌てないように、前もって香典を連名にする場合の書き方を理解しておきましょう。
そこで今回は、香典を連名で渡す際の書き方や注意点などについてお伝えします。
連名は人数によって書き方が変わる
香典を連名にするとしても、人数はケースバイケースであり、2人や3人だったりそれ以上、会社によっては部署単位という場合もあります。しかし、名前を書くスペースも限られていますので、人数が多ければ全員の名前を書くことは不可能です。
なので、香典袋に個人個人の名前を書くのは、3人までと決まっています。3人より多い時は、代表者の名前を記入して左横に「他一同」、会社単位で出すのであれば、左横を「他一同」ではなく「○○株式会社一同」とします。
会社全体ではなく部署単位であれば「○○株式会社△△部一同」と記入します。さらに、連名をした全員の名前と金額を別紙に書いて中袋に入れるひと手間を加えれば、より丁寧でご遺族に分かりやすい香典になります。
夫婦では夫を中心にする
香典は通常一つの家族で一つとなっていますので、夫婦で連名にはせず、香典袋には夫の名前のみを書くのが基本です。仮に夫婦そろって参列したとしても、受付の名簿には妻も名前を記入しますので、問題は起こりません。
ただし、夫婦ともに深いお付き合いがあった人や妻側の親族や知人の葬儀では、夫婦で香典を連名にしても大丈夫です。書き方は、夫のフルネームを記入した左横に妻の名前のみを書く形になります。
また、都合により夫が葬儀に出られず妻が代理で参列する場合は、香典を連名にせず夫の氏名の左下に「内」と書いておきましょう。「内」書くのは、代理で参列したことが分かるようにするためです。
親子で連名にすることは特別なケース
親子で香典を連名にするのは、子供が成人していれば親子それぞれで香典を包みますし、学生であれば親の名前のみを書くため、ほとんどありません。あえて連名にするケースは、子供の名前を書いておいた方が、ご遺族との関係性が分かりやすい場合です。
例えば、子供が中学生として不幸にも友達の親が亡くなったとしましょう。香典は子供が中学生のため、親の名前のみを書くことになりますが、子供どうしは友達だったとしても親どうしはあまり面識がなければ、親の名前だけを香典袋に書いてもご遺族には関係性が分からない可能性もあります。
なので、故人との関係性を書く欄が香典袋にあれば、そこに子供の名前を書いて、ご遺族に関係性が分かるようにします。親子で連名にするのは、こういう時のみです。ちなみに欄がなければ、中袋に故人との関係性を書いておきましょう。
会社関係は名前を書く順番に注意する
会社の人と香典を連名にする時は、3人以下であればそれぞれの名前を書きますが、その際書く順番に注意しなければなりません。ただ、3人分の名前が書いてあればよいのではなく、一番目上の人の名前を右側に書くようにします。
ですので、一番目下の人は左に名前が書かれていることになります。ご遺族も書いてある順番を見て、誰にお礼を言うべきかを判断しますので、ここを間違えますと目上の人を差し置いて目下がお礼を受けることもあり得ますので、きちんと書いておきましょう。
3人以上であれば、前述したように代表者の氏名と「他一同」あるいは「○○株式会社△△部一同」と書くようにします。
包む金額は関係性や自分の立場で決める
香典を連名で渡すにあたり、迷うのは包む金額をいくらにすればよいかということです。連名である以上、自分の都合だけで金額を決められないように感じますが、そこはあまり気にしなくても大丈夫です。
自分の立場や故人との付き合いの深さで、金額を決めればよいのですが、相場がどれくらいか分からない人もいるでしょう。そこで、下記にそれぞれのケースでの相場を記載します。
・両親や兄弟:5万円~10万円
・祖父母、叔父、叔母:1万円~5万円
・その他の親族:1万円
・友達や知人:5千円~1万円
・会社関係:3千円~1万円
会社関係の場合は、あらかじめいくら包むか決めておいて、個人はそれを連名の人数で割った分の金額を出すことも可能です。例えば、5人で連名して代表者が1万円を包んで、他の人は2千円を代表者に出すという形にしても良いのです。
また、年齢の高い人や役職の人は少し多めに金額を出す傾向もあります。このように包む金額は、様々なケースが考えられますので、臨機応変に決めていきましょう。
このように香典を連名にするには、香典袋に名前を書ける人数が3人までだったり、夫婦や会社関係などシチュエーションによって書き方も違ってきます。また、場合によっては連名そのものがふさわしくないこともありますので、連名で大丈夫かをしっかりと確認する必要があります。
また、金額は自分の立場で決めればよいのですが、偶数(2千円や8千円など)や「4」と「9」が付く金額は避けましょう。
香典は必ずご遺族の目に触れるものですので、そこに明らかにおかしな書き方をしていれば、恥をかいてしまいます。「こんな人と付き合っていたのか」と心象も悪くなりかねません。薄墨の筆ペンできちんと書くようにしましょう。
不幸は突然やってくるもの。いざという時のためにも、香典を連名で出す際の基礎知識を身に付けておきましょう。
まとめ
香典を連名で渡す際の書き方や注意点は
・名前を書けるのは3人まで。それ以上は代表者名と「他一同」とする
・夫婦なら夫はフルネームで左横に妻の名前のみを書く
・親子は遺族との関係性が分かりやすい時のみ子供の名前を書く
・会社関係は目上の人から右に書いていく
・包む金額は自分の立場や故人との関係性で決める