葬儀の挨拶、喪主の配慮。準備を見落としやすい場面と例文


葬儀の挨拶と言えば、出棺前などに喪主が話す、故人へのエピソードなどを思い浮かべるものですよね。確かに喪主になっても、多くの方々がここでの葬儀の挨拶は、真っ先に準備をしておくのですが、他にも喪主の挨拶は、たくさんの機会があります。

確かにその多くは、ちょっとした案内であったり、「応対」の役割が大きいのですが、それでもいざ、自分が喪主になると、それなりの準備をしておかないと、スムーズに言葉が出てこないもの…。

喪主にとってお通夜や告別式は、故人と過ごす大切な時間。葬儀の挨拶も細やかな部分まで、滞りなく進めたいですよね。そこで今回は、意外と準備を見過ごしがちな、喪主の挨拶の場面を、例文もいくつか添えてお伝えします。

日ごろの備えとしても、喪主が葬儀で挨拶する場面が分かりますので、ぜひ一読してください。

 

葬儀の挨拶、喪主の配慮。
準備を見落としやすい場面と例文

 

僧侶への、葬儀での挨拶

葬儀の挨拶はもちろん、出棺前などに行われる、会葬客の方々全体へ向けたものが重要ではありますが、喪主と言う立場上、葬儀の間に挨拶はあらゆる方面ですることになるもの…。特に僧侶への葬儀での挨拶は、さまざまな場面で出てきます。

【 葬儀の挨拶、僧侶への配慮 】

■ しかも僧侶には、葬式以降も法要などでお世話になることになるため、常に感謝の気持ちをこめて、葬儀でも挨拶をする事が大切。

・ 特に菩提寺があり、そこで読経をお願いしているのならば、戒名から管理まで、とても縁の深い相手となりますので、ここでの良い関係性は後々まで助かるはずです。

様々な場面での喪主の遺族の代表としての僧侶への挨拶、ひとくくりの言葉ではありませんので、以下の項目に例文をお伝えします。

 

僧侶が帰る時の挨拶

僧侶へ読経をお願いした時、お帰りの時にもお礼をしつつお見送りをしますが、この際、実は葬儀での挨拶も通夜や告別式で少しずつ変わります。また、初七日法要でもお礼をしますので、丁寧な言い回しを確認しておくと安心。

【 葬儀の挨拶、僧侶がお帰りの時 】

① 通夜→

・ 「本日は誠にありがとうございました。故人も喜んでいることと存じます。明日(=葬儀~初七日法要)も宜しくお願いいたします」

② 葬儀~初七日法要→

・ 「大変ご丁寧なお勤めを賜り、誠にありがとうございました。おかげさまで無事に葬儀と法要を執り行うことができました」

そして僧侶へはお布施を渡しますが、その際にはこの葬儀での挨拶の後に、「少しではございますがどうぞお納めください」と挨拶をしてから僧侶に渡せば、問題ありません。

 

枕経をお願いした際の挨拶

ちなみに、僧侶への葬儀での挨拶は皆が見落とすことは少ないのですが、故人が亡くなってすぐの枕経のために僧侶が到着した時には、喪主やご遺族は放心状態であることも多く、見逃しがち

「枕経」とは、遺体の枕元に枕飾りを置いた後、僧侶にあげてもらうお経のことです。

【 葬儀の挨拶、枕経の時 】

・ 「お忙しい中ご足労いただき誠にありがとうございます。

私共は何分不慣れでございますため、ご指導のほどを宜しくお願いいたします」

ちなみに、お通夜や葬儀、告別式など、全ての法要において、会場に僧侶が到着した時にも、もちろん葬儀でのご挨拶は不可欠。「本日はご多用のところ誠にありがとうございます。どうぞ宜しくお願い申し上げます」と伝えて出迎えてください。

 

受付での弔問客へ、葬儀での挨拶

弔問客への葬儀での挨拶は、応対としての意味合いが強いもの。ひとりひとりに丁寧に対応したいところですが、弔問客の方々は大勢いますので、ここでは簡潔にお礼を述べるように心がけると、葬儀がスムーズです。

【 葬儀の挨拶、弔問客への応対 】

・ 「お忙しい中お運びいただきありがとうございます」

・ 「ご丁寧に恐れ入ります」

・ 「生前は大変お世話になりました」

…などなど。

葬儀当日は挨拶をする余裕もないほど、精神的にも落ち着いていないこともありますので、いくつかの例文を準備しておいて、その例文で応対した、と言う方も少なくありません。

 

精進落とし、閉会時の葬儀の挨拶

葬儀の挨拶と言えば、故人のエピソードを回想したり、これからの自分達の暮らしをお伝えしたり…、と言う「葬儀の挨拶」が一番に考えがちですが、通夜振る舞いや精進落としなど、弔問客の方々を次の会場へ案内する役割も、葬儀の挨拶のひとつ。

【 葬儀の挨拶は、案内や閉会の時も行う 】

■ そのため喪主になると、精進落としの閉会の際の挨拶も用意しておかなければなりません。

・ 前日の「通夜ぶるまい」や閉会の挨拶と同じ構成で大丈夫ですので、長い時間を一緒に過ごしてくれたことに対してのお礼を、特に丁寧に述べる構成をひとつ、覚えておいてください。

 

精進落とし(通夜ぶるまい)での挨拶例文

【 葬儀の挨拶、精進落としでの例文 】

「皆さま、本日はお忙しい中誠にありがとうございました。

皆さまの温かなお見送りに、父も喜んでいることと存じます。

皆さまからのお話をもっとお聞かせいただきたいところですが、本日は長い時間にわたりお付き合いいただき、どなた様もお疲れのことと存じますので、本日はこのあたりでお開きとさせていただきます。

十分なおもてなしをできず、申し訳ございませんでした。

本日はありがとうございました」

この他にも例文はいくつかありますので、その構成やポイントを理解しつつ、それぞれの閉会や案内の葬儀の挨拶として、ひとつ覚えておいてください。メモでも大丈夫です。

 

いかがでしたでしょうか、喪主の方が葬儀で挨拶をするシーンは、大勢の前でのスピーチだけではありません。特にお通夜や葬儀は、突然のことも多いので、「常識的なマナーでお話すれば大丈夫」と言われても、戸惑うことも…。

また、葬儀の挨拶は基本的には喪主の方が行うものなのですが、お通夜や告別式と言う状況だけに、なかには葬儀の挨拶ができないケースも見受けられます。そのような場合には無理せず、家族や親族にお願いしても問題はありません。

時には弔問客への応対も苦しいケースもありますので、このような場合には、家族葬などを選択して、会葬やお香典を辞退し、ごくごく身内でのお葬式を執り行う方法も、現在では多くあります。

一般的な葬儀での流れや、喪主が葬儀で行う挨拶を理解しつつ、自分達なりのお葬式を組み立てて、故人との最期の時間を悔いなく過ごしてください。

まとめ


準備を見落としがちな、葬儀の挨拶

・僧侶とは今後もお世話になるため、丁重に
・通夜では翌日の挨拶も、葬儀ではお礼をする
・枕経をお願いした際にも、挨拶を忘れない
・弔問客への応対は、パターンを覚える
・会食への案内も、喪主の役割
・案内の挨拶は、例文を参考にする


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