弔辞を頼まれた時の準備。基本的な構成とそのポイント

弔辞を頼まれた時の準備。基本的な構成とそのポイント
弔辞を頼まれたら、「自分では、十分に役目を全うできないのではないか…。」と、恐縮してしまうことも、よくありますよね。

確かに故人の数ある友人や会社の同僚、上司の方を差し置いて弔辞を読むという大役をするのは、気が引けるものですが、喪主や遺族の方から依頼された場合には、よほどやむを得ない事情がない限り承諾するのがマナーです。

むしろご遺族の方が信頼して、自分に弔辞を依頼してきた意図を汲み取ってあげるべき。

きっと、家族には見せない顔を知っていた数少ない近しい人と思われているのですから、味気ない定型通りの弔辞を求めているのではなく、自分ならではの弔辞を求められている、と考えてください。

しかし、弔辞を初めて読むという人や不慣れな人にとっては、基本的なマナーや構造すらわからないですよね。そこで今回は、弔辞を頼まれた時の準備の参考になる、基本的な構成とそのポイントを解説します。



 

弔辞を頼まれた時の準備。
基本的な構成とそのポイント

 

弔辞の目的


弔辞の文章を作成するにあたって、まず最初に知っておかなくてはいけない事が、弔辞を読む目的。弔辞は葬儀や告別式の時に読むものなので、参列者に向かって読むのではないかと思っている人が多いですが、正確には異なります

【 弔辞を読む目的 】

■ 弔辞は、故人に向けてかける言葉であり、また、残された遺族の方々を慰めることでもあります。

・ 参列者に挨拶をするのは喪主ですから、友人代表として弔辞を頼まれた場合には、目的をはき違えないようにしなくてはいけません。

 

言葉遣いのポイント


冠婚葬祭でのスピーチというと、お堅い言葉で話すことがマナーだと思われることが多く、もちろんそれは間違いではありませんが、弔辞に関してはむしろ逆です。

【 弔辞の言葉遣いのポイント 】

■ 良識ある言葉遣いは意識しなくてはいけませんが、あくまでも故人と親しい間柄であった自分に頼まれているのですから、故人に語りかけるような言葉が良いのです。

一つ注意しなくてはいけないのが、忌み言葉を使ってはいけないという事です。「重ね重ね」などの重ね言葉や「重なる」「再び」などの再来を示す言葉、数字の「4」、「9」などの死や苦しみを連想させる言葉、「死んだ」、「死亡」などの直接的な表現はNGです。

 

弔辞の長さ


弔辞は長すぎても短すぎても適切ではありません。結婚式のスピーチで10分以上長く話す主賓がいることがありますが、葬儀での弔辞は5分前後に収めるのがベストです。

【 弔辞を述べる長さの目安 】

■ 短すぎると、故人への思いがないのかと思われてしまいますから、最低でも3分以上は話したいもの…。「3分以上5分以内」と考えて話すと、分かりやすいかもしれません。

・ また、弔辞は早口ではなくゆっくりと感情をこめて話すべきですから、自分が書いた原稿を本番さながらに練習をして、時間を測ってみると当日も安心です。

 

冒頭はじめの言葉


弔辞の構成は、冒頭、前半、後半、結びの言葉という風に大きく4つに分けて考えると整理しやすくなります。

【 弔辞の冒頭の言葉 】

■ まず冒頭では、

「〇〇さん、突然の訃報に驚きとともに深い悲しみでいっぱいです。」

…など、故人の訃報を受けての自分の気持ちや思いを込めた文章で始めるのが一般的。

・ そして、

「まだ50歳という若さでこれからという時でした。

志半ばで逝ってしまわねばならなかったこと、ご本人はもちろんのことでしょうが、私も痛恨の極みです。」

…など、故人ならではの表現で悲しみの言葉を続け、冒頭の構成を作ります。

 

前半は故人のエピソード


冒頭の言葉が終わったら、弔辞の前半メインの部分です。ここでは、故人の生前のエピソードや功績を振り返ります。

【 弔辞の前半、生前のエピソード 】

■ 例えば、

「〇〇課長は、私が入社して間もない頃、先輩として右も左もわからぬ私にいちから社会人として、営業マンとしてのいろはを教えてくださった、まさに恩人です。

昇進され、異動された後も、私のことを気にかけて声をかけてくださる、本当に温かいお心を持たれた方でした。」

…などです。

パーソナルなエピソードをご遺族の方々にはもちろん、参列者の方にもわかりやすいように、専門用語や難しい言葉を使わずに表現するのがポイントです。

 

後半はご遺族への言葉と結び


故人とのエピソードを弔辞の前半で伝え終わったら、後半部分ではご遺族の方に慰めの言葉をかけます。ご遺族へは「ご遺族の方の悲しみはいかばかりかとお察しいたします。心より哀悼の意を表します。」と気持ちに寄り添う言葉をかけてください。

ご遺族への慰めの言葉を終えたら、結びの言葉で弔辞を締めるのが基本の構成。

【 弔辞での結びの言葉 】

■ 結びの言葉は、

「〇〇さん、心残りではございますが、お別れの時がきてしまいました。

安らかにお眠りになることを心よりお祈りいたします。

これにてお別れの言葉とさせて頂きます。」

…など、故人への別れの言葉を述べるのが一般的です。

 

いかがでしたでしょうか、弔辞を頼まれた時には、頼んでくださった遺族の気持ちや思いを汲んで弔辞の内容を作り、読み上げることが大切。

基本的な構成は例文と合わせて解説しましたが、必ずしも決まった言葉があるわけではありませんし、定型文を読み上げることが正解ではありません

むしろ、自分しか知らない故人の性格を示すエピソードを紹介しながら、故人の逝去を、自分はもちろんその場にいる参列者全員で悔やみ、惜しむことができるような空気を作るのが弔辞の役割を担う人の大事な役目です。

弔辞は、最終的に封筒や奉書紙に包んで遺族に渡します。弔辞は遺族に手に渡って半永久的に保管されることが多いですから、心を込めて丁寧に書いて差し上げるのがマナーでもあるのです。

まとめ

知っておくべき弔辞の目的と構成とは

・弔辞は故人を弔い遺族の方々を慰めることが目的
・言葉遣いは忌み言葉を避ければ固くなりすぎなくてもOK
・感情をこめてゆっくりと読み5分に収まるように
・冒頭は自分の気持ちを込めたはじめの言葉
・前半は故人の功績や自分とのエピソードを振り返る
・後半はご遺族に慰めの言葉と結びの言葉で締める