供花という言葉を初めて聞くという人は多いのではないでしょうか。特に、身内や近しい人が亡くなったという経験がない人は、聞き慣れない言葉かもしれません。けれども供花は故人への真心を示す大切なものです。
供花は葬儀やお通夜の時に、故人の供養のために会場に供えられている花の事で、輪っかの形やかごやプランターにいけられている形式のものもあり、葬儀に参列できない人や、故人と近しい関係だった人から贈られてきます。しかし、いざ自分が喪主になった時、この供花をどのように飾ればいいか分からない、という人が案外多いのです。
もちろん葬儀屋さんにお任せできる部分もありますが、故人と供花の送り主の関係性を熟知しているのは喪主ですから、供花を飾る時に気をつけるべきマナーを知っておくべきです。
そこで今回は、供花の飾り方に関する基本のマナーを6つ解説します。
供花を飾る前に。
喪主が知っておくべきマナーの基本
供花の並び順に配慮する
供花は葬儀が始まる数時間前に会場に届けられます。しかし、到着した順番に飾ればいいというものではありません。
【 供花には並び順があります 】
■ 供花は故人の近親者から、順番に祭壇の中央から並べていくのがマナーです。
・ 当然、葬儀開始直前になって届く供花もありますが、あくまでもこの順番は守るべきです。
多少手間はかかりますが、喪主がしっかりと指示をして中央から順番に並べていくようにしましょう。
供花のバランス良い飾り方
祭壇の中央に近ければ近いほど、故人の近親者、近しい間柄の人から贈られた供花を飾るのが基本です。しかし、供花にもサイズ、色は様々な種類があり、ただ並べるだけでは祭壇とのバランスや全体を見た時のバランスが取れていない場合も発生します。
【 供花のバランスを整える 】
■ まずは、近親者から贈られた供花を中央から順番に並べ、葬儀屋さんに相談しながら、左右を入れ替えたり、隣同士を並べ変えるなどの調整をして行きます。
供花の送り主の名前と連絡先を控える
当日は、葬儀の準備、食事の準備、葬儀屋さんや住職さんとの打ち合わせなどと平行して供花が続々と届くため、喪主はとても忙しく慌しい状況に陥ります。けれども、供花を頂いた方々への礼儀は不可欠です。
【 供花を頂いた方へのお礼 】
■ 供花が届いたら、送り状がついているはずですから、送り主の名前と住所、連絡先は必ず控えておきます。
・ 葬儀に参列できなかった人から供花を頂いた場合は、お返しをしなければいけません。
参列できなかった人からの供花ではなくても、送り主にお礼の言葉を伝えることは、喪主の大事な役目なのです。
枕花の飾り方を覚えておく
供花と似ていて異なる花に枕花というものがあります。枕花は葬儀の直前に届けられるのではなく、亡くなってすぐに届けられる、サイズ感が小さい花を指し、故人の枕元にお供えするという意味合いがあります。
亡くなってすぐ、お通夜の日に届けられることから、枕花を贈ってくる相手は、親戚や近親者であることが想定されます。
【 枕花を頂いたら 】
■ 枕花は、葬儀前夜には故人の枕元に備え、葬儀中も棺の近くに飾るのが一般的です。
・ この時も、故人の近親者から順に棺のそばに並べましょう。
花輪の供花の飾り方の基本
一般家庭の葬儀では見かける機会が少ないですが、大きな花輪も供花の一種です。
【 花輪を頂いた場合の飾り方 】
■ 壁に立てかける程の背丈があるため、通常は葬儀会場の中には飾らず、会場の外壁に飾ります。
また、葬儀場によっては花輪が置けない所もありますが、通常は送り主が会場に確認の上、供花を贈ってくるので、その点は心配しなくてもいいでしょう。花輪は親戚一同や会社単位で贈られることが多いのですが、祭壇の近くにはおけないので注意が必要です。
供花スタンドの飾り方の基本
スタンドにいけられた大きめな供花、「スタンド花」が届くこともあります。スタンド花には一段と二段の種類があります。
【 供花スタンドを頂いた場合の飾り方 】
■ このような供花スタンドが届いたら、会場の外ではなく、入り口付近や祭壇を向かって左右のやや端の方に飾ります。
・ 供花スタンドは花輪ほど大きなものではないので、会場の内側に飾るのが一般的です。
ただし、他の供花よりも祭壇よりに飾ってしまうとバランスが取れない場合も多いです。このような時には、葬儀屋さんと相談して決めるのがベターです。
いかがでしたでしょうか。葬儀に参列したことがある人でも、供花に注目したことがある人は少ないのではないでしょうか。しかし供化を贈った側としては、自分が注文した供花を必ずと言っていいほどチェックします。
特に供花を並べる順番などには、多くの人々が注意を向けていることも事実です。並び順は難しい時もありますが、マナーがなっていないと、せっかくの贈り主の方の気持ちを無駄にしてしまいます。
自分が喪主になった場合には、供花を贈って下さった方々の気分を害さないため、また、故人のためにも供花の飾り方の基本のルールは、しっかりと身につけておくべきなのです。
自分の両親や兄弟、配偶者が亡くなるということは、とても悲しいことです。特にそれが急であればあるほど、心の準備もできていないものです。しかし、葬儀というのは、故人を供養してあげるための大事な儀式です。供花の取り扱いも真心を込めて行ってください。
まとめ
喪主が知っておくべき供花の飾り方の注意点とは
・故人の近親者から順に供花は祭壇の中央に近い方から並べる
・供花と祭壇のバランスは葬儀屋さんに相談して決めよう
・供花の送り主の名前と連絡先はお返しのために控えておこう
・枕花は供花と異なり通夜の前から故人の棺の近くに飾ろう
・花輪の供花は葬儀場に飾っていいかどうか確認をとろう
・供花スタンドは式場の外ではなく入り口や祭壇の左右に飾ろう