家族葬とはどのような葬儀の形態なのか、何となくイメージがあっても具体的な内容については分からない人が多いですよね。生きているうちは自分がいつ死ぬかなんて誰もわかりませんから、死んだ後のことまで考えていないという人が多いのは、当然。
しかし、年齢を重ねると自分の遺産をどうするか、子供に迷惑をかけないために死んだあと事を、自分である程度準備しておこう、と考える人が増えてきます。それが終活。今この終活で支持が高まっているのが、家族葬という葬儀の形態なのです。
家族葬とは家族だけでやる葬儀というイメージで、なんだか寂しいと考える人もいるかもしれません。そこで今回は、なぜ家族葬が高い支持を受けているのか、その理由について、一般葬と比較してメリットをお伝えします。
家族葬とは☆
一般葬との違いと、終活で選ばれる理由
時流にあった家族葬
家族葬が終活をする人に選ばれている最も大きな理由は、時流に合っているから、に他なりません。かつてバブル全盛期で景気が良かった頃は、何をするにも派手にするのが流行っていました。
結婚式も葬儀もよりたくさんの人に出席してもらうことがステータスだったのです。
【 家族葬とは、時流に合った葬儀スタイル 】
■ しかし、現代では「本当に生前に付き合いがあって、最後にお別れをしたい人だけに葬儀に参列してもらえればいい」と考える人が増えました。
・ 派手に無駄遣いをする風潮が廃れていったのです。
日頃の生活でも、節約や効率、本質を求める人が増えましたから、家族葬はそんな人達の終活で支持をされるようになりました。
費用を抑えられる
家族葬が選ばれる理由の一つで、大きなメリットとなるのが費用の安さ。家族葬は、一般葬と比較して大きく費用を抑えることができます。
一般葬では、親族や友人はもちろんですが会社の人や取引先の人、また、直接面識がなくても、喪主や遺族と付き合いがあるだけで参列する人もたくさんいますから、大人数。
【 家族葬とは、親しい人だけで行う葬儀 】
■ その点、家族葬とは、遺族、親族、故人が親しかった人だけで執り行われる葬儀なので、参列者は少人数。
・ 人数が多ければ多いほど、大きな葬儀場を手配しなければいけませんし、費用はそれだけかさみます。
そのため、死んだ後のことに多額の費用をかけるのがナンセンスだと考える終活者に、支持されているのです。
礼儀の面で気が楽
会社の上司の奥さんや親御さんが亡くなった時に、故人とはまったく面識がなくても葬儀に参列することも、多いもの。
このように一般葬では、面識がある人よりも、むしろ知らない人の方が多く参列するケースが多々あるのではないでしょうか。しかし、家族葬とは、故人の親族や近しい人など面識がある人しか参列しない葬儀。そのため、喪主や親族からすると気が楽。
【 家族葬とは、気を遣いすぎない葬儀 】
■ 参列者には香典返しを渡しますが、それ以外にも会葬礼状という葬儀に参列してくださった方へのお礼状を送るのもマナー。
・ しかし、家族葬では親しい人ということでこれを簡略化したり、無くすケースもあります。
しきたりやマナーの面で肩ひじを張らなくてもいいのは、喪主や遺族にとっても気が楽です。
連絡する手間の削減
前述の通り、家族葬とは一般葬と比較して参列者が少ないスタイルですから、葬儀の連絡をする手間が大幅に減ります。
一般葬では、たくさんの人に連絡をしなくてはいけませんし、あとから「自分が呼ばれなかった」と思われるようなことがないように、参列者選びにも十分に気を遣う必要が…。
【 家族葬とは、手間が削減できるスタイル 】
■ 特に一般葬の場合、仕事関係のネットワークに関しては、相手に失礼がないようにしなくてはいけませんから、連絡漏れがないように注意が必要。
・ その点、家族葬は余計な気を遣う必要がないですから、終活で選ばれているのです。
葬儀場を選ばない
家族葬は、参列者が少ないので費用が掛からないとお伝えしましたが、参列者少ないことで葬儀場選びの際にもメリットがあります。それは、広い会場を探さなくてもいいという事。
【 家族葬とは、そのメリット 】
■ 参列者の人数によっては、自宅でできることもありますし、近場の葬儀場で済ませるということも可能。
・ 親戚は多くいるけれど、遠方の親戚とはほとんど付き合いがない、という人が増えていますから、本当に親しかった親族だけに葬儀の連絡をするというケースでは、自宅でできる家族葬がちょうどいいのです。
香典の辞退
家族葬すべてに当てはまることではありませんが、最近では家族葬では香典を辞退するという事前連絡をするケースも多くあります。香典を受け取るということは、香典返しをしなくてはいけないという事。
【 家族葬とは、香典の選択 】
■ 葬儀では、故人の供養と最後のお別れだけしてもらえればいい、と考える終活者にとっては、香典と香典返しのやり取りは、お互いに負担になるだけいうことに…。
・ しかし、礼儀を重んじる一般葬では、香典と香典返しを簡略化することは難しいもの。
一方、家族葬とは、儀礼を省略しても構わない間柄にある人だけが参列する葬儀。このような理由も、家族葬が選ばれる側面のひとつです。
いかがでしたでしょうか、家族葬は、一昔前まではあまりないケースとされていました。亡くなったことを周囲にあまり知られたくない、目立ちたくないと考えるケースが稀だったため、ネガティブなイメージを持たれることが多かったのです。
しかし、不景気になってからの日本を生きてきた人達の世代は、ミニマルな考え方を持っている人が多い傾向に。
そのため、たくさんの供花を飾って大きな祭壇を設け、派手に葬儀をする一般葬のような形式を希望する人が少なくなっているのです。家族葬は、葬儀の本来の目的である供養と故人とのお別れをしたい人達だけが参列しますから、葬儀をされる側に支持が高いのです。
今回解説した通り、葬儀をしてもらう本人や喪主にとって家族葬にはメリットがたくさんあります。そのため、終活というスタイルが増え始めているのです。
まとめ
終活で支持が高まる家族葬とは
・家族葬が選ばれる理由は時流に合っているから
・一般葬と比較して費用が安いのは大きなメリット
・親族や近しい人しか参列しないため気が楽
・葬儀の連絡をたくさんの人にする手間が省ける
・規模が小さいので自宅や近場の葬儀場でできる
・香典と香典返しのやり取りがないのでお互いにいい