最近では、故人や遺族の意向に沿ってさまざまな形の葬儀が行われるようになってきています。
通常は、故人の死後になるべく多くの知人や親族に葬儀に列席してもらうために、新聞などでお知らせしたり、人に広く知らせて葬儀を行いますが、それとは逆に、故人をよく知る人のみや、親族のみで行う密葬という形を選択する人も多くなってきています。
もともとは、有力者や著名人が亡くなった際に、大規模な本葬儀を行う前に、ごく親しい人のみで行う葬儀のことを密葬と言っていましたが、最近では小規模な葬儀のことをさして密葬と呼ぶようになってきています。
では最近急増しているこの密葬ですが、密葬を行うには、どのようなことに注意して行えばいいのでしょうか。その密葬の準備から葬儀までに注意しなければならないことを7つお教えしましょう。
近年急増中の「密葬」。
準備から葬儀までの7つの注意点
周囲への配慮を忘れないようにしよう
密葬は、家族だけで行うものだからと全てが終わった後に事後報告を親族や故人と親しかった人に伝えるだけだと必ず混乱が起こります。
大切な人、親しかった人に最後のお別れをしたいという人は多く、密葬を選ぶ人が現在は増えたと言っても、やはり変化球と感じてしまう人も多いのです。
故人の意向をかなえてあげることは大切ですが、周囲にも故人を大切に思ってくれる人が沢山いるのですから、周囲の人への配慮を忘れないようにしましょう。
密葬に慣れている葬儀社を選ぼう
密葬を行うことで、一般的な葬儀とは違う部分で必要な配慮もあります。
葬儀の新たな形である密葬なので、密葬自体に不慣れな葬儀社もまだまだあるのも現状です。
密葬に慣れている葬儀社にお願いすれば、そういった必要な配慮も含めて葬儀を進めてくれますし、困った時には的確なアドバイスをしてくれます。
でも、密葬に不慣れな葬儀社では、一般的な葬儀と同じように進めていくとトラブルの元にもなりかねないので葬儀社を選ぶ時にはこの点に気をつけて選びましょう。
密葬とは別に「偲ぶ会」を行おう
密葬だけで葬儀を終えてしまうと、お別れがきちんとできなかった親族や親しい人は寂しいと思ってしまうでしょう。
故人とのお別れが出来なかったという思いは、思っている以上に心に影を落とすことになります。
密葬は家族のみで終えたとしても、「偲ぶ会」などを別途開催して、お別れをきちんと出来る機会を作ってあげるという方法も考えられます。
密葬で故人と意向をかなえることが出来、親しい人にもお別れの機会を作ってあげることが出来ます。
香典のお返しの品も用意しておこう
密葬は家族だけでひっそり行うので、香典へのお返しの品を用意しないでいるケースもありますが、訃報を知った方が香典を持って自宅に来てしまうという場合があります。
香典はいつ持って尋ねていらっしゃるかはわかりませんので、日持ちのするお返しの品をあらかじめ用意して置くようにしましょう。
香典をお断りするのであれば、亡くなった事をお知らせする際にきちんと伝えるようにしましょう。周囲への配慮を怠らないことが大切です。
故人の意向とお願いはハッキリ伝えよう
故人の意向をかなえてあげたいという気持ちであっても、周囲の人への配慮が足りなければ、密葬を行うということはやはりトラブルに繋がってしまうものです。
そうしないためにもあらかじめ周囲の人には故人が亡くなった事を伝えるとともに、故人の強い意向で密葬にすることや、密葬にする代わりに「偲ぶ会」を行うこと、香典や供花はご遠慮することなど、きちんと意向を伝えましょう。
意向はハッキリ伝え、偲ぶ会への列席を願いしましょう。
お通夜を密葬で、葬儀のみ告知する方法も
故人の意向をかなえるために密葬にするとしても、親族や故人と親しかった人の最後にお別れの時間を持ちたいという気持ちもかなえてあげたいことでしょう。
その場合には、通夜は密葬でとりおこない、葬儀は親族や故人と親しかった人にもお知らせしてとりおこなうという方法もあります。
通夜は家族だけでゆっくり故人とのお別れの時間を作ることが出来、葬儀は故人と最期のお別れをしたい人たちが集まることが出来るので、トラブルが起きにくくなります。
菩提寺への配慮も忘れないようにしよう
密葬で故人を送る場合でも、菩提寺がある場合には菩提寺への配慮も忘れないようにしましょう。
菩提寺に読経をお願いしない場合であっても、失礼のないような配慮が必要です。
故人が密葬を希望しても、きちんと菩提寺に配慮をしておかなくては同じ菩提寺の親族にも影響があるかもしれません。
菩提寺は問題なくとも、同じ菩提寺の親族は菩提寺をないがしろにしてしまったと影響を心配してあわててしまうこともあります。菩提寺だけでなく親族の理解もきちんと得るように配慮しなければなりません。
いかがでしょうか。密葬を行う時に大切なことは周囲への配慮でしたよね。
故人の意向を尊重したいと思うばかりに周囲の人の気持ちをないがしろにしてしまっては本末転倒です。
かといって、周囲の人たちのことばかり考えてしまっては、故人の意向にすぐわない、ゆっくりお別れする時間もない争議になってしまう可能性もあります。
故人の意向を尊重し、また周囲の人たちへの配慮を欠かさないように葬儀を考えていきたいものですね。故人の意向をかなえつつ、周囲の人たちの気持ちも配慮した葬儀の形が必ず見つけられるはずです。故人の最期の時を、トラブルなく見送ってあげたいですね。
まとめ
近年急増中の「密葬」。準備から葬儀までの7つの注意点
・周囲への配慮を忘れないようにしよう
・密葬に慣れている葬儀社を選ぼう
・密葬とは別に「偲ぶ会」を行おう
・香典のお返しの品も用意しておこう
・故人の意向とお願いはハッキリ伝えよう
・お通夜を密葬で、葬儀のみ告知する方法も
・菩提寺への配慮も忘れないようにしよう