葬儀は、最愛の人と一緒に行う最後の儀式です。天国へ旅立たれる故人と、現世に残された私達のお別れの儀式はきちんと執り行うべきです。
日本には、浄土宗・浄土真宗・曹洞宗・日蓮宗など実にたくさんの宗派があります。それそれの宗派によって、葬儀の進め方や焼香の仕方などいろいろと守らなければいけないルールがあるのです。
葬儀は、いつ何時行わなければいけないかは分かりません。誰も死を予想できませんし、いざ自分が喪主になって葬儀を執り行わなければいけない時にどうしてよいのかわからないと困りますよね~。
そこで、今回は数ある宗教の中から「曹洞宗」についてお話ししていきます。葬儀の進め方は、地域や家族のお考えによってさまざまですが、ここでは一般的に知っておいた方が良いと思われることをご紹介いたします。
そこでテーマは「曹洞宗の葬儀マナーで事前に知っておきたい7つのこと」です。では、進めてまいりますね。
曹洞宗の葬儀マナーで
事前に知っておきたい7つのこと
曹洞宗の葬儀の特徴
曹洞宗は、臨済宗と合わせて「禅宗」と呼ばれています。では、禅宗の葬儀の特徴についてお話ししてまいります。禅宗の葬儀では、二つの儀式を中心に考えられています。
一つは、授戒です。これは、故人に戎を授け正式の仏弟子にするための儀式です。二つ目は、仏の世界に導き入れる「引導」という儀式です。以後の項目では、これら二つの儀式に関しても詳しくお話ししていきますね。
そして、禅宗の葬儀は葬儀方法も二つに分けることができます。まず「尊宿」と言われ、故人を行と徳を積んで深い境地に達した僧とする葬儀法、修行中に亡くなり尊宿までに至らなかったと定義する「亡僧」という二つの種類の葬儀法です。
どちらにするかは、お寺によって違いますので、一度お調べになってはいかがでしょうか?
臨終と通夜にすべきこと
では、曹洞宗の場合臨終と通夜にはどのような事をすべきなのでしょうか?詳しく知らなくても、お寺のご住職にお任せしていればそんなに心配はないと思います。
けれど、せっかくの機会ですから予備知識として頭の片隅に入れておきましょう。まず、枕経を唱えます。この枕経のことを「臨終諷経(りんじゅうふぎん)」といいます。ちょっと読み方が難しいですね。
また、その臨終諷経(りんじゅうふぎん)の中から、「舎利礼文(しゃりらいもん)」と「遺教経(ゆきょうぎょう)」を唱えるのです。これらは臨終の際に読まれるもので、通夜の時には別のものになります。
一般的に、通夜では「観音経」「舎利礼文」「修証義(しゅしょうぎ)」などが読まれます。
曹洞宗の授戒
曹洞宗の授戒についてお話しします。授戒に関しては時代と共に、そのやり方に若干の違いが見られますのでご説明しますね。
本来のしきたり:在家信者が授戒会(じゅかいえ)という儀式に参加することによって初めて戒名と血脈が与えられました。これによって、正式な曹洞宗の仏弟子となれたのです。
現在の風潮:現在ではほとんどの方が、葬儀の式の最中に「授戒」をしてしまいます。では、どんな順序で行われていくのか見ていくことにしましょう。
葬儀式の流れ
では、曹洞宗の葬儀式の流れについてご説明しますが、これはあくまで一例です。それぞれのお寺よって異なりますのでご了承ください。
①入堂 僧堂に入ること、または、寺などに参詣することを言います。②剃髪(ていはつ) 本来は、僧侶亜出家するときに、俗世を捨てる覚悟を示す儀式ですが、ここでは導師が剃刀を持ち「剃髪の偈」を唱える儀式です。
③懺悔文(さんげもん) 実は、ここからが授戒の儀式にあたります。故人が一生涯で犯した小さな罪をを反省することで、入滅を心から願うという儀式になります。
④三帰戒文(さんきかいもん) 仏の教えに従い、修行僧として今後帰依することを誓った文です
⑤三聚浄戒(さんじゅうじょうかい)、十重禁戒(じゅうじゅうきんかい)
⑥血脈授与
⑦入棺諷経(にゅうかんふぎん)大悲心陀羅尼(だいひしんだらに)などを読経。大体、この間に参列者の方にご焼香をしていただくことが多いようです。
⑧龕前念誦(がんぜんねんじゅ)ここでは「十仏名」や「舎利礼文」を読経します。
⑨挙龕念誦(こがんねんじゅ)大宝楼閣陀羅尼(だいほうろうかくだらに)の読経します。
⑩引導法語(いんどうほうご)漢詩を唱えますが、これ故人の生前を偲んで、悟りの心境を示しているそうです。
⑪ 山頭念誦(さんとうねんじゅ)
以上が一連の流れですが・・・正直って何が何だかわからないですよね。でも、このような流れで進んでいくという事が頭の片隅に入っているだけで随分違うと思いますよ。
曹洞宗の焼香の仕方
私自身、「あれ?どうするんだっけ?」ということが度々あります。では、曹洞宗の焼香の仕方についてお話しいたします。
曹洞宗では、右手で香をつまんで、両手で額に掲げ、その後香炉に投じます。続けて二回目もしますが、二回目には少量をそのまま香炉に投じます。額に掲げなくても大丈夫です。
ただし、周りの状況を考慮しましょう。参列者がたくさんいた場合は一回で済ませるようにするのがマナーです。
お布施について
僧侶にお渡しするお布施は、宗派ごとの決まりはありません。葬儀で読経して下さった僧侶への感謝の気持ちを表すお金雄言ったところでしょうか。
これはどちらかと言えば、お寺と葬儀の規模・お寺と皆さんの関係性による方が影響が大きいです。お布施の包み方や、金額にもある程度のルールがありますので、是非事前にお調べになってください。
お布施は、葬儀と法事などで金額が変わってくることがほとんどですので、直接お寺に既定の金額があるかどうかを問い合わせても問題ないでしょう。
地域や家族の意向によって違いは見られます
上記の項目で、曹洞宗に関するさまざまなルールや葬儀の手順などをご紹介しましたが、はっきり言って地域やそれぞれのご家庭で差があります。
ですから、これが正解と言うわけではございません。疑問があるのであれば、僧侶に教えて頂いてもよろしいかと思います。きっとためになると思いますよ。
時代の流れと共に、さまざま事が変わってきていますが、宗教的な事はなかなか変わらないと思いますので、家族の中の年長者に話を聞くのも良いかもしれませんね。
いかがでしたでしょうか。
以上、曹洞宗の葬儀マナーで事前に知っておきたい7つのことをご紹介しました。
記事を書いてる私でも、実に感じがたくさん出てきてややこしいなぁと思うところもありますので、読んでくださっている皆様は尚更お感じになられるのではないかと思います。
でも、全てを完璧に理解しなくても大丈夫ですよ。事前に、上記7つの事が頭の片隅に入っているといないでは大きな差です。
葬儀は、日常生活の中でもなかなかないことですので戸惑ってしまうことも多いと思いますが、故人に対する気持ちが一番大事です。きちんと送り出してあげましょうね。
まとめ
曹洞宗の葬儀マナーで事前に知っておきたい7つのこと
・はじめに・・・曹洞宗の葬儀の特徴
・臨終と通夜にすべきこと
・曹洞宗の授戒
・葬儀式の流れ
・曹洞宗の焼香の仕方
・お布施について
・地域や家族の意向によって違いは見られます