社会人になると初めて体験することになるのが「名刺交換」ですが、実際に正しい名刺の渡し方ができているか、不安になることもありますよね。社会人にとって、名刺交換は基本中の基本なので、正しい名刺の渡し方ができていないと、相手に与える印象が悪くなってしまいますし、最悪の場合は、それだけで商談が台無しになってしまう危険性さえあります。名刺交換にもビジネスマナーやルールがありますから、あまりに非常識な名刺の渡し方をすれば、自分自身が疑われるだけでなく、会社そのものも疑われることになってしまうのです。
恥をかいたり会社に泥を塗らないためにも、社会人として正しい名刺の渡し方を覚えましょう。そこで今回は、改めて見直しておきたい、正しい名刺の渡し方をお伝えします。
【正しい名刺の渡し方】
あなたのそのやり方間違えてます!
名刺の受け渡しには順番がある
名刺交換の際に、どちらが先に名刺を差し出すかは順番が決まっています。何が何でも自分が先に出そうとしたり、相手が差し出すのをボーっと待っていてはいけません。
名刺を差し出す順番は、お願いをしている立場の人が先に名刺を出し、それを受け取った後にもう一方が名刺を渡します。これが名刺の渡し方の基本ですが、注意してほしいのは、年齢は関係ないということです。
例えば、自社に営業マンがきてその人と名刺交換をすることになった時は、どれだけ自分より年齢が上の人であっても相手からの名刺を受け取ってから、自分の名刺を差し出します。「自分の方が若いから」と焦って、先に名刺を出そうとしてはいけませんし、相手にとっても失礼になります。
大切なのは「お願いしている」か「お願いされている」かなので、それさえ肝に銘じておけば、間違った名刺の渡し方をする危険性はかなり減ります。
闇雲に複数人と名刺交換をしてはいけない
名刺の受け渡しの基本は先の通りですが、もし一度に複数人と名刺交換をする時は、その場にいる人に闇雲に受け渡してはいけません。ここにも、名刺を受け渡す順番があるのです。
お願いしている立場の人から名刺を渡すのは変わりませんが、上司や先輩と一緒に相手方を訪問した時の名刺の渡し方は、役職が上の人から順番になります。なので、この場合は上司→先輩→自分となります。
この時、名刺を出すのにもたつくことがないように、自分の番がくる前に名刺を手元に用意しておくことをおすすめします。そして、相手方に名刺を渡す順番はまず担当者に渡し、その後は役職が上の人から順番に渡していきます。
と言っても、相手も名刺を渡しやすいように、担当者から順番に並んでくれますので、過剰に意識する必要はありません。
お願いされる立場なら、名刺をもらってから相手に自分の名刺を出すのが、名刺の渡し方になります。こちらは、流れに従えばよいので、そんなに難しいことはありません。
きちんとした姿勢をとる
名刺を渡したり受け取ったりする時は、渡す順番だけでなく姿勢も大事になります。だらしない姿勢をしていては、正しい名刺の渡し方にならないどころか、社会人としての気質も疑われます。そこで、名刺交換時の姿勢を確認しておきましょう。
・名刺を差し出す:自分の胸を軸として、相手が受け取りやすい高さで差し出します。この時、視線は名刺に落とさず、なるべく相手の顔を見るようにして下さい。
・名刺を受け取る:腰を軽く曲げて頭は少し下げて受け取ります。その後、名刺を持った手を下すと失礼になるので、胸の高さにもってくようにしましょう。
マナーを守る
食事にはマナーがあるように、名刺交換にもマナーがあります。ただ、お互いの名刺を交換すればよいだけではなく、マナーがしっかりしてこそ名刺の渡し方がスマートになります。
こちらも、姿勢と同様に渡す場合と受け取る場合の両方にマナーがあるので、しっかりと覚えておくようにしましょう。
・名刺を差し出す:必ず「○○株式会社の△△です」と会社名と自分の名前を言って差し出します。黙って渡すことは絶対にしてはいけません。
・名刺を受け取る:片手で受け取ると大変失礼になるので、必ず両手で受け取ります。また、受け取る時は相手の会社名や氏名に指が触れないように注意しましょう。
名刺はすぐにしまわない
名刺をもらってすぐにしまってしまうのは、相手に失礼になるのでやってはいけません。名刺交換をする場面にもよりますが、テーブルがありすぐに着席するシチュエーションなら、名刺はしまわずにテーブルの上に載せておきます。
この時、相手の名刺は自分の名刺入れの上に載せ、自分から見て左上に置きます。相手が複数人なら、名刺入れの上には役職が最も上の人の名刺を載せ、あとの人のは机の上に直接置いても構いません。名刺を並べるのは、着席した順番にするのがおすすめです。
名刺交換した後に、移動するなど着席しない場合は、お互いの名刺交換が終わって一息ついてからしまうようにして下さい。
いかがでしたか。名刺交換は社会人としての基本であり、ビジネスの基本でもあるので、名刺の渡し方というのは非常に大切なのです。ただ、雰囲気だけ繕って何となく渡せばよいのではなく、名刺を渡す以上は「会社の代表」という意識を持つようにしていきましょう。
今年社会人になったばかりの人なら、多少名刺の渡し方を失敗しても「これも社会勉強」と笑って許してもらえます。しかし、社会人になって何年も経てばそうはいきません。名刺の渡し方に不安のある人は今一度確認をしておきましょう。
名刺交換をする段階からすでに商談は始まっているので、マナー違反やだらしない姿勢をせずに、正しく名刺を渡して相手に好印象を与えるようにしましょう。そうすれば、必ず真剣に話を聞いてもらえますよ。
まとめ
正しい名刺の渡し方は
・名刺はお願いしている立場の人が先に差し出す
・複数人なら役職が上の人から名刺を渡す
・相手が受け取りやすい高さに名刺を出す
・必ず会社名と名前を言って渡す
・失礼になるので名刺はすぐにしまわない