通夜での作法には様々なものがありますよね。通夜は、冠婚葬祭の儀式の1つですから、ルールやマナーがあり、それを守れないと失礼に当たるだけに、「知らない」「聞いてない」「誰からも教えてもらっていない」などと、言い訳をすることは通用しないのが辛いところ…。
未成年であれば、通夜での作法ができていなくても、子供だからと多めに見てくれるかもしれませんが、大人になってからマナーがなっていないと、周囲から軽蔑されてしまうことに。何より遺族の方に対して大変失礼にあたり、不快な思いをさせてしまうかもしれません。
確かに通夜の作法はたくさんあるため、すべて覚えておくのは困難。けれども、1つ1つの作法の意味を知って、正しいマナーを自然と身につけて行けたら、楽そうですよね。そこで今回は、意味から覚えるマナーを7つお伝えします。
通夜の作法を理解する。
意味から覚える7つのマナー
少し前の到着時間
通夜の作法として、集合時間は重要。通夜は突然知らせを受けることが多いですから、「仕事や家庭の都合で多少遅れてしまうのはしょうがない。」と思っている人もいるかもしれませんが、それは誤り…。
【 通夜の作法:時間 】
■ 通夜の開始時間を知っていたら、その時間までに現地に到着しているのがマナー。
・ おおよそ、10分前くらいに到着していると良いかもしれません。
あまり早すぎると、通夜の準備の邪魔をしてしまうこともありますから、少し前に現地に到着しておくことがポイントです。
のし袋に書くこと
通夜では、参列する時にご霊前を持参します。一般的には香典と呼ばれるものですが「香典」は仏教式の葬儀で使う言葉ですが、どのような宗教でも対応可能なのが「ご霊前」。通夜の作法として、ご霊前の持って行き方にもルールがあります。
【 通夜の作法:のし袋 】
■ ご霊前は通夜当日にたくさん集まりますから、喪主が後で誰がいくら包んでくれたか判別できなくてはいけません。
そこで、ご霊前には、あとで喪主が困らないように、金額と氏名を明記することが大切なのです。
ご霊前の金額相場
ご霊前を包むときに悩むことが多いのが金額。通夜の作法として、ご霊前の金額は、自分と故人の関係性と、自分の年齢を加味して決定するのが一般的ではないでしょうか。
【 通夜の作法:金額相場 】
■ 例えば、故人が自分の上司の場合には、20代の人がご霊前を用意するなら五千円が相場。
・ しかし、これが40代なら一万円が相場になります。また、故人が友人や同僚の場合も同じ程度が一般的です。
ちなみに、御霊前を用意する時は、新札を使ってはいけないので、折り目は必ず!事前に用意していたということで通夜の作法としては失礼に当たるため、ぜひ気をつけて準備をしてください。
受付でのお悔やみの言葉
通夜の作法として忘れてはいけないのが、当日受付でのご挨拶。結婚式では「おめでとうございます」と言ってご祝儀を渡しますが、通夜の作法もそれと同じ…。通夜の場合でも、受付ではお悔やみの言葉を伝えながらご霊前を渡すのです。
【 通夜の作法:お悔やみの言葉 】
■ お悔やみの言葉は「この度はご愁傷様です」が最もよく使われています。
・ ここで、受付の担当者が例え葬儀場のスタッフのような人でも、お悔やみの言葉を送るのはマナー、意識して必ず伝えられたら安心です。
会場でのマナー
通夜の作法の中でも、当然のことのようで意外と意識している人が少ないのが、通夜の会場での会話や立ち振る舞いに関してではないでしょうか。通夜は、故人との別れを惜しむために行われます。ですから、雰囲気としては、悲しみに包まれながらも厳かなもの。
【 通夜の作法:会場マナー 】
■ そこで、ぺちゃくちゃと話をしたり、大声で会話をしたり、大きなジェスチャーでコミュニケーションを取るなどは、絶対にタブー。
・ 参列者同士で会話をするなら、小声で、かつ必要最低限にとどめるべきなのです。
数珠の持参
通夜の作法で、当日忘れたくない持ち物が数珠。ご霊前を持参するのは当たり前ですし、忘れられることはめったにないですが、数珠は意外と忘れられることが多くある道具…。
【 通夜の作法:数珠 】
■ 数珠は、焼香をする時に左手にひっかけて行うことが仏教としては丁寧。
・ 会場で借りることができないものですから。事前に用意をしておいて、当日は忘れずに鞄やポケットに入れておくと安心です。
通夜ぶるまい
通夜ぶるまいでは、喪主が参列者に対して寿司やサンドイッチ、ビールなどの飲食物を用意しているもの。この通夜ぶるまいは、焼香を終えた参列者が案内されることが多いですが、遠慮して一切飲食物を口にせず、帰ってしまう方もいるのではないでしょうか。
【 通夜の作法:通夜ぶるまい 】
■ しかし、通夜ぶるまいは、故人の供養のためにもなると言われているため、たとえお腹がいっぱいで気が進まなくても、一口だけでもいいので、食べることが重要。
・ まったく手をつけないことが、かえって失礼に当たりますので、間違えないように受けてください。
いかがでしたでしょうか、通夜での作法をその意味合いや背景から理解できていると、通夜での作法やマナーを細かく丸暗記しなくても、自分で考えてある程度、判断することができます。
ですから、「通夜の作法なんてめんどくさそう」と頭から否定的にならずに、今回お伝えした7つのポイントを、手始めに理解してみてはいかがでしょうか。
確かに、今回お伝えした通夜の作法は、基本的なものばかり。けれども、それさえも完璧にできていない社会人や大人はたくさん。
安心してしまいがちですが、「間違えている人もいるだろうからいいや。」と軽く考えないことが大切。故人や遺族に対しての敬意も込めて、マナーやルールは正しく、故人にも遺族にも誠意あるお焼香をしたいもの…。
通夜で恥をかかないためにも、通夜の作法は意味から覚えて、マナーある会葬をしてください。
まとめ
通夜の作法とマナーとは
・通夜に参列する時は開始時間の10分前に到着
・御霊前は自分の氏名を書いたのし袋に入れて持参
・ご霊前の金額は故人と自分の関係性で相応な額を
・受付ではお悔やみの言葉を述べてご霊前を渡す
・通夜の会場ではなるべく言葉を慎み静かにする
・焼香の際には数珠を持参することを忘れずに
・通夜ぶるまいは供養の意味があるので頂く