法事に招かれた際に事前に知っておきたい7つの一般常識

法事に招かれた際に事前に知っておきたい7つの一般常識
法要とは法事ともいい、故人の冥福を祈り霊を慰める仏教的な儀式です。仏教では、人が亡くなった日を含めて7週間(49日間)は、7日ごとに、あの世で生前の罪状などを裁く審判があるとされ、遺族は故人の霊が無事に極楽浄土に行き成仏するようにと7日ごとに供養します。

そして故人の審判が終わる49日目には、遺族は忌明け(きあけ)として親族や、故人の友人や知人などを招いて法事を行います。

法事は七日目に行われる「初七日」や「四十九日法要」また、一周忌後の「年忌法要」など区切りとなる日に行われます。現在では、葬儀後に初七日の法要を済ませることが多くなってきたため、四十九日は最初の大きな法事ということになります。

法事についての知識や作法を心得ることで、故人と自分との命の繋がり、そして感謝をより実感できると思います。

そこで、法事に招かれた際に事前に知っておきたい7つの一般常識をまとめさせていただきました。お役立ていただければ幸いです。

 

法事に招かれた際に
事前に知っておきたい7つの一般常識

 

案内状を受け取ったら(出席する場合)

法事は葬儀やお通夜と違って招待を受けて参列するものなので、招待されたら出席するのが礼儀です。親族や友人などのごく親しい人で営まれるので、招かれるということはその付き合いの中に自分が加えられているということです。

逆に法事のことを遺族に尋ねたり催促するようなことは失礼になります。なお施主側は出席する人数により食事の準備などがあるので、出席者の人数もはっきりと書いて返事は遅くとも一週間前までには出しましょう。

返信用はがきの場合には、招かれたお礼や遺族への気遣いなど、ひと言添えると丁寧です。

例1:ご法要の案内、恐れ入ります。必ず出席させていただきます。

例2:ご丁寧なご案内をいただきお礼申し上げます。ぜひお伺いさせていただきます。

 

案内状を受け取ったら(欠席する場合)

やむをえない事情で欠席する場合も返事をすぐに出します。返信用はがきには欠席するお詫びをひと言添えましょう。

例1:誠に残念ですが、欠席とさせていただきます。

例2:あいにく入院加療中にて、誠に残念ではございますが欠席とさせていらだきます。ご了承のほどお願い申し上げます。

また法事に間に合うように、お詫びの手紙を添えて現金書留などで、お供物料を送るか、お花や果物などのお供え物を贈ると良いです。
そして後日、あらためて訪問してご焼香すれば気持ちが通じることでしょう。

 

服装について

一般的に親族以外の参列者は、略式礼服(黒や地味な色のスーツ)を着用します。三回忌以降でも喪服を着用してかまいませんが招く側の遺族の服装とのバランスが大切です。

招く側が平服に近い服装であるのに招かれた側が喪服であってはお互いに気まずい思いをすることになります。

女性の場合は、略式礼服は男性同様、地味な色でデザインも控えめなスーツやワンピースが良いでしょう。靴やストッキング、小物も黒系のものが望ましいです。

また子供の場合は、学校の制服が正式な喪服にもなるので、制服で問題ありません。指定の制服がない場合は、黒や紺など落ち着いた色の服で、靴も地味な色にしましょう。

七回忌以降は、平服でも構わないとされていますが、派手な服装やカジュアルな服装は避けましょう。

 

香典の金額は?

香典の金額は故人との関係によっても違いますが、法要のお供物料として1万円程度、身内であれば相場より高めの2万円~3万円程度が多いようです。

また一般的な仏式の法事では僧侶の読経のあと、食事がふるまわれることがあるのでその分を考慮した金額を包むと良いでしょう。

なお、4万円・9万円は、お悔やみごとには相応しい金額ではありません。故人や遺族とのお付き合いの深さによって金額を決めましょう。

法事は、四十九日、一周忌、三回忌、七回忌と行われるのでその都度、お供物料が必要ですが、故人と特に親しい付き合いでなければ、親族以外は一周忌を過ぎると法事に参列することはほとんどなくなります。

 

香典袋の表書きについて

御供 :式の法要の際、御供物の表書きとして用います。

御仏前 :葬儀後は霊から仏になるとされることから、仏式の法要に用います。

御玉串料 :神式の法要に用います。

献花料 :キリスト式の記念法要で、花に代えて金品をお供えするときに用います。

仏式・神式・キリスト教式の全てに使用できるのが「御霊前」です。相手の宗教が分からないときには「御霊前」にすると良いでしょう。

また香典はむき出しで持っていくより、ふくさに包んだ方が丁寧です。受付で香典を渡すときは表書きが相手に読める向きにして渡します。霊前にささげるときは名前が手前になる向きにして置きます。

 

ご焼香について

ご焼香は、お仏前に芳香を捧げることによって、深く敬いつつしむ心を捧げるという意味があります。また香りで邪気を祓い心身を清めます。

宗派によって違いがありますが、基本的なご焼香の(立礼焼香)作法をご紹介します。

①周りの参列者に軽く会釈をして霊前に進みます。

②遺族と僧侶に一礼します。

③祭壇の遺影に向かって一礼します。

④焼香台の前い出て香をつまみ軽く頭を下げて目の高さにささげ、左の香炉へ指をこすりながらパラパラと落とします。このとき、数珠は左手にかけておきます。

⑤合掌します。

⑥前を向いたまま2、3歩下がり遺族と僧侶に黙礼して戻ります。

ご焼香の回数は宗派によって異なりますが、基本的に1回でも大丈夫です。何よりも心を籠めてご焼香することが大切です。

 

法事でのあいさつの一般常識!

施主側にあいさつを頼まれたら、まず招かれたお礼を述べ故人を偲ぶ話を中心に語ります。法事の席でのあいさつは短めがよいでしょう。

月日の経過とともに悲しみやつらさは落ち着いていき、遺族と参会者の環境も変化します。法事ごとにあいさつの内容も違ってくることになります。

また葬儀と違って法事はごく親しい人の集まりとなります。形式ばったあいさつより故人への想いや遺族を思いやる気持ちを表現するほうが印象深いあいさつとなります。

例えば、四十九日法要では、まだ遺族も参会者も深い悲しみのうちにあることでしょう。死亡時の心の乱れが少しずつおさまるにつれ寂しさが募ってくる頃でもあります。

故人への想いを悲しみとともに語るなかで遺族の心情を思いやり、いたわりの言葉をかけます。

一周忌法要では、故人に対する想いと遺族へのいたわり、そして一年の経過の中での自分の心境をからめて語ると良いでしょう。

 

さて、法事は故人の供養ですが、四十九日、一周忌、三回忌…と残された者は時の経過とともに少しずつ心に区切りをつけていきます。

宗派による違いにこだわる必要はないと思いますが、法事での礼儀と作法を心得ることで、故人への想いも必ず変わってきます。

常識を知らずに恥をかいてしまったということにならないよう是非、事前に知っておいていただきたいです。

法事という節目の時に、故人を偲び思い返すことで、伝え遺してくれたものに、あらためて気付かされるかもしれません。遺族へは死を悼み思いやる心で、そして故人へは心を込めて冥福を祈る気持ちで、法事に伺いましょう。

まとめ

法事に招かれた際に事前に知っておきたい一般常識

案内状を受け取ったら(出席する場合)
案内状を受け取ったら(欠席する場合)
服装について
香典の金額は?
香典袋の表書きについて
ご焼香について
法事でのあいさつの一般常識!


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